「魔法少女まどか☆マギカ」お薦めです。という記事。田中けんという江戸川区議会議員のブログでアニメがおすすめされててるとのことでちょっと話題。
もちろんこのレビュー自体はツッコミどころ満載であるのだが、そこはアニメマニアならぬ人の文章、そういう部分にはツッコむ必要もあるまい。問題は他にある。
「魔法少女まどか☆マギカ」はもちろん俺も見ている。それこそ夢中になって見てる。感想をひとことで言えば「こんなの絶対子供に見せたくない」である。
- 出版社/メーカー: アニプレックス
- 発売日: 2011/04/27
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理由はいくつもあるが、まだ完結してないのでなんとも言いがたい部分はある。だがまず言えるのは、キャラクターデザインやロゴデザインが女児向けアニメのオマージュといってもいい形状であるのに対し、あまりにも内容がシビアすぎるのである。
精神発育の途上である子供には、あんまり複雑な人間の裏側まで見て欲しくない。まずは真正直に夢や希望を信じて欲しい。人のために何かすることはいいことだと思って欲しい。努力はちゃんと報われるんだと思っていて欲しい。
現実は違っててもだ。挫折や悔しさを味わうのは、それを受け止めるだけの強さを身につけてからでいい。
「魔法少女まどか☆マギカ」は、俺の見たところおそらく13〜15歳未満禁止くらいが妥当だと思う。子供たちには有害な作品であるとすら思う。
もちろん俺は東京都の青少年育成条例には反対の立場だ。それは以前の記事を見てもらえればわかるだろう。
だからといって野放図がいいというわけじゃない。上記記事にもあるように、きちんとしたレーティングが必要なのだ。
「魔法少女まどか☆マギカ」はいまだ未完結とはいえすばらしい作品である。Blu-rayを買ってしまおうか考えるほどすばらしい映像美、思わず考えこんでしまう展開、正義とか悪とかを超越したディスコミュニケーションの悲劇。元記事で引き合いに出されてる「魔法少女リリカルなのは」と同じ監督による2つ目の「魔法少女詐欺」といっていい作品*1。
しかし作品のすばらしさと子供に悪影響があるかとは別の話なのである。
「まどか☆マギカ」の脚本を担当している虚淵玄は、ニトロプラスという主にアダルト向けのゲーム作品を制作してる会社に所属している。もちろん同社の作品でもその手腕をふるい、評価の高い仕事を残している。
いわば映画産業における日活ロマンポルノであり、成人向けであるからこそ許される制限の無い表現から生まれた新しい才能である。
すばらしい作品であるからこそ、きちんと世に残って欲しいし、子供たちにも変なトラウマを植えつけずに成長にあわせて見て欲しい。
「ザンボット3」の最終回が恐くて恐くてしかたがなかった幼い自分を思い出して、そう思うのである。