狐の王国

人は誰でも心に王国を持っている。

TMTOWTDI──ホットクックだけでなんでも解決するわけじゃない

昨日書いたホットクックの記事には多くのコメントを頂いたのだが、ホットクックだけで全部を解決できるわけじゃないのにそこを勘違いしてる人がけっこう散見されたように思う。ちなみに置き場所がないというコメントが多かったが、ホットクックは炊飯器の発展形なので、もちろん炊飯もできる。こだわりがなければ炊飯器を置き換えてもいいと思う。蒸し器も付いてるので炊飯をしながら蒸し物のおかずを作ったりもできるはず。ちょっとぐぐったらアルミ皿を使ってホットクックで炊飯しながら煮物を作ってる人もいた。

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さて話を戻そう。TMTOWTDI という言葉がある。 There's More Than One Way To Do It. の略で、日本では「やり方は一つじゃない」と訳されたりする。90年代に人気を誇ったプログラミング言語 Perl の作者で、ホンダとるろうに剣心のオタクでもあるラリー・ウォールによって提唱された言葉だ。Perl の哲学とも呼ばれる。

ひとつの解決法だけを頼ると、それが使えないときにどうにもならなくなってしまう。解決策は多様であればあるほど様々な状況に対応できる。どんな優れた策も使えないときは使えないのである。ちなみに複数の問題を一度に解決する事ができるものを「アイデア」と呼ぶというのは任天堂のゲームデザイナーでマリオやゼルダのプロデューサーでもある宮本茂の言葉だ。そんなアイデアはそうそう出てくるものでもないしあるならもうやっている。

日常の料理もホットクックだけに解決を頼むのは馬鹿らしい。ホットクックが解決してくれる問題は「火を付けてる間はキッチンにいなくてはならない」という問題である。調理中に別の料理でも仕事でも出勤でもなんでもできるのがホットクックの利便性だ。

完全に虚無ってるが腹は減るという状況を解決してくれるのはホットクックの役割ではない。

うちでは毎週土曜には作り置き料理をしている。実はこれを書いてる今もホットクックに卯の花を煮てもらっている。

だいたいこんな感じの野菜中心の作り置き副菜を毎週用意して、アルコール消毒したジップロックコンテナに入れて冷蔵しておけば1週間程度は持つ。あとは日々のメインディッシュを用意すればいい、という状況を作っておく。

メインディッシュは本当にさまざまだ。ホットクックで作ることもあるし適当にフライパンで作ってることもあれば、お惣菜を買ってきて済ませることもある。今日も作り置き食材を買い出すついでにカキフライとポテトサラダと千切りキャベツを買ってきた。

お惣菜の揚げ物なんてレンジで暖めるとふにゃふにゃになるしおいしくないじゃないか、と言われるかもしれない。そのためにうちではノンフライヤーを用意してる。

うちで使ってるのは上記のものとは違って中国製の7000円くらいのやつだったと思う。ノンフライヤーは冷めた揚げ物を温めるのに最高の代物だ。機種によって違うと思うが、うちでは180℃で6〜7分もかけておくとまるで揚げたてサクサクにしてくれる。しかもけっこう油が落ちている。量を見るとけっこうなカロリーオフになってるんじゃなかろうか。

お惣菜を買いに行く余裕もないときのために、冷凍庫には業務スーパーで買ってきた冷凍唐揚げ1kgがいつも入っている。冷凍からあげの場合はやはり180℃で10〜12分、これで本当に揚げたてとしか思えない唐揚げになる。そのまま食べてもいいが、ネギを散らして醤油をかけてもうまいし、余裕があれば甘酢だれを作ってタマネギなどと炒めて酢豚ならぬ酢鶏を作ることもある。

選択肢は多様であるべきなので、その他にも冷蔵庫にいつもデミグラスのレトルトハンバーグを用意している。そんなときは業務スーパーのウェッジカットのフライドポテトをやはりノンフライヤーで作る。200℃で15分もあれば外はカリカリ中はふかふかの皮付きポテトフライのできあがりだ。デミグラスソースにからめて食べるとたいへんおいしい。

最近は業務スーパーで袋入のシュウマイを見つけたのでこれも常備するようにした。おかずがちょっと足りないなというときには2〜3個をレンチンして追加する。うちで使ってるメスティンにはちょうど6個入るのでメスティンで蒸すこともある。

このメスティンも解決策の多様化のために導入したところがある。朝起きてなんにもないときにでも、ひとまずメスティンに無洗米と水を放り込んで30分つけてる間にコーヒーを飲み、缶詰かなにか適当なものを放り込んで15分程度弱火にかけ、火からおろして15分むらせば立派な炊き込みご飯になる。

さらに前々からときどきやってた玄米ご飯も冷凍しておくことにした。

ふだんは土鍋で炊いてるのだがせっかくなのでホットクックで玄米を炊いてみた時の写真を。

炊いた玄米はジップロックのごはん用コンテナに入れて冷凍しておいてる。今日は作り置きが終わったらホットクックに豚汁を仕込んでおく。明日の朝は玄米を解凍し、できたての豚汁といただきものの沢庵で朝食を取る予定でいまから楽しみである。

仕事をしながら日々の生活をするのは決して簡単じゃない。昔のように専業主婦を養える家庭も多くはないだろう。養える給与があったとしても、特に首都圏は不動産価格が高騰していて昔なら主婦や主夫を養えたはずの賃金を夫婦それぞれが稼いでダブルローンにでもしないとまともにマンションも買えやしない。うちは田舎だからそんなことはないのだが、そうでなくても自分自身の健康を守るために、けっきょく栄養バランスがよくて満足感がある食事を用意し、日々のストレスに抗い続けなくてはならない。

「やり方は一つじゃない」、TMTOWTDI という言葉をいつも心においておこう。首都圏に住むことも、ホットクックを使うことも、ただひとつの選択肢じゃない。選択肢を減らす言説には注意せよ。自分の選べる選択肢をいかに増やすか考えよう。

どれだけ虚無っててもきっとできることはある。希望を常に探し続けよう。

Sugano `Koshian' Yoshihisa(E) <koshian@foxking.org>