狐の王国

人は誰でも心に王国を持っている。

2022年、今年買ってよかったものいろいろ

去年気が向いてやってみたら意外なことにたいへん好評だったので今年もやってみる。購入履歴を見返すのもなかなか年末っぽくていいしね。

ハウス きわだちカレー

友達にうまいぞって教えてもらったペースト状のカレールー。ホントにめちゃくちゃうまくてビビる。これに業務スーパーで買ってきた飴色玉ねぎを1パック(500g)なんて入れちゃうと、もうこんなおいしいものを食べていいのかと罪悪感すら湧いてくるレベルでおいしい。

ペースト状なので夏野菜をさっと炒めてカレーにするのもよさそうだなあと思いつつまだやってない。

2.4Lのホットクックいっぱいに作るには2袋使う。2ヶ月に1度の Amazon 定期便にしている。

iPad mini 用のスタンド MOFT X

せっかく軽い iPad mini なのにカバーを付けて重くするのもなんかなあと思ってた時にふと見つけたスタンド。これで縦にも横にも立てられるし重くないのがよい。

たまに持ち出す時に剥がして普通のカバーをつけてみたりしてたけど、いま説明を読むと5〜6回の貼り直しが可能ってあるからもう剥がさないでおこうかな……持ち出し用にはなんかスリーブでも買おうかなあ。

和平フレイズ ホットサンドメーカー

いや別に肉を焼くとかいうことではないのだが。

普通にホットサンドを作って食べてる。最近はホットクックでクラムチャウダービーフシチューなどを煮込んでおくことが多いので、パン食になりがちなのよね。

特に年老いた家族にも好評なのが、しらすと海苔のホットサンド。チーズとしらすが意外に相性がいい上に、そこに海苔の風味が加わるとめっちゃくちゃうまいのである。

チーズとしらすと海苔のホットサンドとビーフシチュー
チーズとしらすと海苔のホットサンドとビーフシチュー

この写真のときはついでにブラックオリーブもいれてみたらどうなのかとやってみたので黒い部分が多い。結論から言うとやめたほうがいい。オリーブと海苔は喧嘩する。オリーブもおいしいのだが、海苔かブラックオリーブかどちらかにするべきであった。

口腔洗浄器 ジェットウォッシャー ドルツ

元々子供の頃からたまにこういうウォーターピッカーは使ってたのだけれども、なにやらすごいぞと噂を聞いて買ってみたら大当たり。どんなにキレイに歯磨きしてもゴミが出てくる出てくる。なんかもわっと臭いにおいが口の中にたちこめたりもする。だがそれもすぐ消えて、何かが洗い流されたのを感じる。

とはいえ別にこれだけやってりゃいいわけじゃなくて、このあと糸のフロスを書けてみるとやっぱりまだ汚れが残ってたりする。

歯ブラシとウォーターピッカーとフロスで取れる場所や物が違うんだなあという感想。

俺が買ったのは1世代前のやつだけど新しいのが出てるみたい。

底の色が白くなったくらいしか違わないようだが。

あと意外とノズルが折れやすいので予備は買っておいたほうがいい。識別用に色の違うリングが付属してて、家族で使い分けもできる。

ノズルを立てて置けるスタンドが欲しいところだがなにかいいものはないかなあ。

下村工業キッチンバー カーブピーラー

onnela.asahi.co.jp

ネットでDAIGOが料理初挑戦してるのがかわいいぞというので TVer で見てたら便利そうなピーラーを使ってたので、同じものを探して買ったのがこれ。たぶん合ってると思う。

使ってみたらあまりの切れ味ににんじんの皮が落ちない。達人に斬られると死んだことに気づかないとかいう漫画やアニメで見たやつはこれか!!と思ったレベル。いやぜんぜん違うんじゃないかという気はするんだが。

食洗機に入れるときは刃を奥側に向けて入れてる。1回手がぶつかってちょっと切れちゃった。

townew スマートトラッシュボックス

わ、これ便利だなあ。欲しいぞ とか言ってたのが3年前である。

しかしそんなことをすっかり忘れていて、はてなダイアリー仲間だったのがいつの間にやら書籍など出されてすっかり有名になられたテラケイさんが白饅頭マガジンで紹介しているのを見てこれはすごい! と思わず今度は衝動買いしてしまったわけなのである。

人感センサーで自動で蓋が開閉するだけなら他にもあるのだろうが、townew のすごいところはゴミ袋の交換も自動化してくれてるところである。

ボタンをちょっと長押ししておけばピッ…ピピッと音が3回なってゴミ袋交換が始まる。

ADHDの傾向が高いせいか、ついついゴミ袋交換をサボってゴミがあふれがちだったのだが、これのおかげで溢れる前にさっと交換できるようになった。なんせゴミ袋を伝熱で切って封してくれるし、その後エアーでゴミ袋をキレイに敷き直してくれるのである。こんな楽なことはない。

京セラ セラミックミル

ミル付き岩塩を愛用しててなくなってきたので中身を入れ替えようと思ったら、中身の交換に対応してないやつだったので、買ってしまった袋入りの岩塩を使うために買ったやつ。思ったよりぜんぜん使いやすくてよかった。ちょっと散らばりがちだけど、均一にかけるにはちょうどいいんだろうな。

ついでだからと胡椒用に黒いのも買ってしまった。

薬用石鹸ミューズ

なんか肩や背中に吹き出物が出てきてなかなか治らないんで思い切ってボディシャンプーから薬用石鹸に変えてみた。魔法のように治った……りはしないんだが、まあだいぶ改善してきた気がする。半年使ってみてまあ跡がまだ残ってるかなって感じ。

石鹸だと泡立てるのがめんどうかなあと思って適当なボディタオルを買ってみたのだが、これで石鹸をくるんでゴシゴシするとあっという間にすごい泡が出るのでびっくりする。ボディーシャンプーをつけて泡立てる手間とそんな変わらない気がする。

石鹸置き場が必要だなと思ってとりあえずこれを買ってみた。特に不満はない。

Anker 711 Charger (Nano II 30W)

iPhone に付属してくる充電器より小さくて 30W 出るので、iPhoneApple Watch の同時充電器にも使えるというスグレモノ。

不満といえばこれでコンセント部分を折り畳めたら最高なのになあと思ってたのだが、俺が買ったすぐあとに折り畳める後継機がでてやがるの! くっそーーー!!

まあこんなふうにして旅先で使う時に便利。

iPhone と Apple Watch を同時充電してる写真
旅先のホテルで iPhoneApple Watch を同時充電

写真に映ってる充電器は Apple MagSafe デュアル充電パッド。クッソ高くてバカらしいなと思ったんだけど、ホテルのこういう枕元の小さいところに iPhoneApple Watch を両方載せて充電しておくには思いのほか便利でなんか悔しい。

711 チャージャーと MagSafe デュアル充電パッドと充電ケーブルをまとめておけるポーチが欲しくて見つけたのがこれ。

かわいくはないんだけどサイズがちょうどよい。入れる場所が2箇所あるので、片方は充電器とケーブルだけいれておけば iPhone だけ充電したいときにもさっと使える。

山崎実業 フィルムフック マグネットタンブラー

洗面所で使うカップがいい感じに置けずにいるのが気になってたのだが、ふと見つけてこれならと思って買ってみたが快適である。

ただ鏡面扉につけてしまったので開く時におっこちたり盛大に吹っ飛んだりする……。まあ他に付ける場所もなかったのでしょうがないのだが。

山崎実業 マグネット キッチンペーパーホルダー

うちは調味料棚が天井からぶら下がるように設置されてるのだけれども、そこにキッチンペーパーをぶら下げておくために買ったがこれまた快適。金属の棚にしっかりくっつくし、狭いところでも外してキッチンペーパーを取り付けてからまたくっつければいい。磁石って便利だよなあ。

山崎実業 レジ袋スタンド

山崎実業シリーズ第3弾。これより大きいのも買ったんだけど邪魔。この大きさにぴったりのゴミ袋でサイズ感はちょうどいい。これにもごみ袋固定用のマグネットを付けて欲しい。大きい方にはついてるんだよね。

ロジクール MX MASTER3s

基本は親指トラックボール派なんだけど、たまにトラックボールに詰まった手垢を掃除するのが嫌になってマウスに転向する時期というのがある。今年はその時期がやってきた。

実は去年も書いたように有線マウスを検討していたのだが、使ってるキーボードが有線でのKVM切替器で動作しなかったので、しかたなく無線で本体側のPCで切り替え機能を使うことにしたわけだ。なのでマウスもそれに合わせて3台切り替え対応のものを妥協して買ったという……。

だがこれ使ってみると存外いろいろと都合がよかった。Logi Bolt という独自規格のドングルを使うのだが、Bluetooth だとちょっとイヤホンにノイズが乗りがちだったりマウスがカクついたりする現象が解消した。

マウスでコピーしたものはマウス側で記憶しててくれるので、別のPCでペーストできるのもありがたい。

Logi Options+ というツールで Flow という機能を設定すると、複数のパソコンの間を自動で切り替えてもくれる。

こないだ新しく買ったノートパソコンを設定するときに大活躍だった。調べ物は既存のマシンでやりがちなので、さっとマウスポインタをノートパソコンに移したり、コピーしたものを貼り付けたり。

あと側面の進む・戻るのボタンはキーボードのIとMに設定しておくと、だいたいのゲームはインベントリとマップが表示されるので便利というのにも気づいた。

ロジクールの企業姿勢はあんま好きじゃないんだけど、やっぱここにしかない価値があるんだよなあ……

一緒にロジクールのマウスパッドも買ってみたのだがでかすぎて邪魔。

そこで試しに買ってみたマウスパッドが存外よい。面積的に俺はこんなもんで十分だし、手首クッションも要らないときにはよけておけるのもいい。滑りの良さもまあ悪くはない。劣化してきたらわからないけど。

ころころ缶ラック

ビールを冷蔵庫にしまっておくのにこういうの欲しいなと前から思ってたのだが、存外でかくて冷蔵庫に入らないんだよね。

これはコンパクトに作られてて8本入るので、ちょっと人が集まったときも十分な量が冷やして置けるし、残り2本になったら6本パックを開封して入れておく、という運用で切らさずにおけるのがいい。

冷蔵庫が交換になったついでに買ったのだがまあ気に入っている。

サーモス 真空断熱タンブラー

さあここからは冬グッズ、というのも今年買ったものを年初から振り返って来てとうとう冬に到達したからだ。

寒くなるとコーヒーがすぐ冷めてしまうので毎年なんかいい方法はないかと思ってたのだが、たまたま買ってみたこれで割と十分だった。コーヒーを淹れる時に温めておけば1時間後でも割と熱いまま。

食洗機に対応してて、部品も3つしかないのもいい。スライド式の蓋は向きがなく、間違って逆につけちゃったなんてことは起きないのもポイント高い。

最近はコーヒーを飲み終わったら、これにミルクティを淹れて飲んでる。いつもは英国式で淹れるのだけれども、たまにインド式に香辛料と一緒に煮出して飲むこともある。いわゆるチャイだ。そうすると今度は冷めないので熱すぎてなかなか飲めないという事態に遭遇したりもした。

Keen HOWSER III SLIDE

基本的に引きこもって仕事してるのでまあ普段はでかけるといえばコンビニなどに行くことくらい。いちいち靴下を履くのもめんどうなので夏場はサンダルなど使っているのだが、さすがに冬は寒い。なんかいいものはないかと探してたところ行き当たったのがこれ。

一見ふつうのシューズのようだが、これは実質的に「ツッカケ」である。かかとにホールド感はほとんどない。履くときもサンダルのようにすっと履ける。しかも裸足で履いてても寒くない!

サイズ感はワンサイズ大きく感じるのだが、まあツッカケだと思えばそれも脱ぎ履きしやすくていいかなという気分。

まあとりあえずサンダルのように使えて寒くないというのはたいへんありがたい。まだ使い始めて1ヶ月も経ってないが気に入っている。

2022年の終わりによせて

さていつの間にやら大晦日である。そんな実感もないのだがあっという間に1年が過ぎさっていってしまった。

このブログ、狐の王国の更新もなかなかできてないが来年は22年目になるようだ。ずいぶんと長い月日が経ったものである。来年もいくつか書きたいネタがあるし、なんとか更新したいなと思うので、またよろしくお願いします。

よいお年を!

バッチファイル1つで WSL をサーバ化する方法、および Windows 11 のセットアップについてのメモ

昨今 Windows 環境がたいへんデベロッパーフレンドリーになってきたので、なんか1つ WSL で開発できるような環境を持ち歩けるようにしておこうかとラップトップのパソコンを1つ調達してみたのだが、まあどうにも Windows はショートカット体系がなってなさすぎて使いにくい。

ということで WSL を常時起動しておいてサーバとして使い、Mac からリモートで使ってみることにした。sshvscode のリモート接続があればまあそんなに困ることはない、はず。

Windows 11 で意図したユーザー名のローカルアカウントを作る

最近の Windows は意図したユーザー名を付けるのが難しい。ssh のときなどに自動で使われるし、C:\Users 以下に作られるディレクトリ名にもなるのでホントやめて欲しい。

atmarkit.itmedia.co.jp

上記サイトによるとセットアップ中に Shift + F10 を押すとコマンドプロンプトが出てきて、これで C:Windows\System32\oobe\BypassNRO.cmd を実行すると再起動し、ネットワーク接続の設定で「インターネットに接続していません」という選択肢が現れるのだそうだ。

これでローカルアカウントでセットアップできるようになる。秘密の質問がうざったいがしょうがない。こんなのまったくセキュアじゃないのに。

Home Edition で Hyper-V を有効化する

Windows 11 Home Edition では Hyper-V がないのだが、手動でインストールすれば使えるらしい。ライセンス的にも問題ないと聞くのだがちょっとエビデンスが見つからない。問題があれば Pro にアップグレードしようかなあと思いつつ、

jo-sys.net

上記サイトのバッチファイルをそのまま使わせていただいた。

WSL のインストール

Winキー → cmd と入力 でコマンドプロンプトが出てくる。必要があればそのまま「管理者として実行」が選べるの便利だねこれ。

wsl --install -d Debian

これだけで Debian がインストールされるの便利。なんか文字化けエラーが出たけど、Microsoft から WSL のアップデータを入手したら治った。

WSL の常時起動

WSL すぐ死ぬ。メモリも食うしそりゃ普通ならそうだろうが、今回はサーバとして使うので常時稼働しててもらわないと困る。

wsl -u root -- service cron restart

とかやっておくと daemon が起動し続けてくれるので常時起動状態になるようだ。

最近の wsl は systemd に対応していて、設定で systemd を動かしておけるのだが、この状態だと上のコマンドを実行しても WSL すぐ死ぬ。

WSLが公式にSystemDをサポートするらしい

/etc/wsl.conf で設定できるようだ。

[boot]
systemd=false

デフォルトで false なのでこの設定は要らないのだが、将来デフォルトが変わるかもしれないのでまあメモ的に書いておく。

localhost forwarding と外部から接続するためのポート転送

WSL に Windows から localhost で接続できる仕組みがあるらしい。

ascii.jp

これは今ではデフォルトで動いてるとのこと。なるほど確かに wsl で sshd を起動しておくと、コマンドプロンプトから ssh localhost でログインできる。意図したユーザー名がつけられてなければ ssh {wslusername}@localhost とやらねばならなかったところ。

Windows 環境だけで開発するならもうこれだけで十分だね。

だが今回外部からアクセスするための設定をしないといけない。それに関しては localhost forwarding が動いてるならぜんぶ ::1フォワードしちゃえばいいんじゃね? という話がおもしろかった。

matsudamper.hatenablog.com

IPv4でアクセスしたものをIPv6に変換してしまえば良いと考えました。「192.168.0.10」を「::1」に変換するのです。

WSL2へ外部PCからアクセスする - アプリ開発備忘録

なるほどこれなら今の IP アドレスを見なくてもいいし、1回設定すれば済んでしまうな。

起動用バッチファイル

というわけで出来上がったバッチファイルは以下の通り。 まだ環境が流動的なので portproxy はリセットして設定し直すようにしている。docker は起動してない時に restart しても動かないので start にしてある。

@echo off

cd %~dp0

netsh interface portproxy reset

wsl -u root -- service cron restart
wsl -u root -- service ssh restart
wsl -u root -- service docker start

set ports=22 80 3000 8080

for %%p in (%ports%) do (
    netsh interface portproxy add v4tov6 listenport=%%p connectaddress=::1 connectport=%%p
    netsh interface portproxy add v6tov6 listenport=%%p connectaddress=::1 connectport=%%p
)

タスクスケジューラで自動起動……が動かない

さてあとは Windows のタスクスケジューラで OS 起動時に上のバッチファイルを自動実行させておけば便利……かと思いきやこれが動かない。

「ユーザーがログオンしているかどうかにかかわらず実行する(Run whether user is logged in or not)」では wsl コマンドが実行されない現象があるようだ。手元の別の Windows 10 のマシンでは動くので Windows 11 の一部バージョンでの現象かもしれない。

github.com

すでに github に issue があがってていろんな回避策が議論されているが、どれもこれもうまくいったりいかなかったりしてる様子。

Strange how everyone has a different method that works.

不思議なことに、人によってうまくいく方法が違うんですね。

Unable to start WSL via Task Scheduler · Issue #8835 · microsoft/WSL · GitHub

このコメントがおもしろかった。こんな不可思議なことが最先端のソフトウェアでも起きるんだから、本当にソフトウェア開発というのは複雑なものである。

しょうがないので上のバッチファイルへのショートカットをデスクトップに作ってしばらく手動起動することにしよう。

なんにせよバッチファイル一つでさくっとサーバ化できるのだからたいへん便利なものである。

おまけ: オーディオを転送する

# apt install sox libsox-fmt-all

これで play コマンドで mp3 などが再生できるようになる。

ssh で接続先のマシンで鳴らした音を手元の環境で再生するには pulseaudio を使えばいい。

$ brew install pulseaudio
$ brew services restart pulseaudio

これで Mac 側で pulseaudio が起動する。Venture にアップグレードしたら「バックグラウンド項目が追加されました」の通知がうざいことになったが、オンオフしたりなんだりしてると止むので我慢してる。なんとかならんのかこれ。

あ、あと IPv6 でアクセスされることもあるので、/usr/local/etc/pulse/default.pa で以下のように設定しておく。

load-module module-native-protocol-tcp auth-ip-acl=127.0.0.0/8;::1

それから ~/.ssh/config でポート転送を仕掛けておく。

Host wsl-machine
  HostName wsl-machine.local
  # PulseAudio
  RemoteForward 14713 localhost:4713

あとは環境変数PULSE_SERVER=tcp:localhost:14713 としておけば、リモートのマシンで

$ play -q path/to/audio/file.mp3

として手元のマシンから音が鳴るはず。

enjoy!

ストリップ劇場の女子トイレノートから見るイイワケ要らずの「女性の性表現」

昨今なにやらずいぶんヒステリックな社会になってしまったなあと思う。たかだか胸の大きなヒロインの漫画が献血コラボに採用されたり、たかだか中国の麻雀ゲームの広告が駅にあったくらいで、まるで天地がひっくり返ったような大騒ぎをするような大仰な人々が増えてしまった。

そんな中、ふとこんなツイートが目に入った。

そうなのである。ヒステリックな彼ら彼女らが責め立てるような「性表現」というのは、実は女性の手による表現で、そのファンも女性中心ということが非常に多いのである。

幸いなことに最近はそういう「放火魔」な人々こそが「炎上」するようになってきたからまだよいものの、そうした女性の性表現の現実を知らない人々があまりにも多い。

例えば日本のポルノコミックの作者は男性向けでさえ少なくとも半数程度は女性だと言われている。未成年の少女が陵辱されるようなポルノコミックの作者にもファンにも多くの女性が存在してることもあまり知られてないし、想像だにされてないようだ。

男性誌の体裁を取りながら、その実は女性が表現し、女性が受け取ってるというのは存外ポルノコミックにはありがちな状況だったようだ。例えば最近俺も教えてもらって知ったのだが、あのセーラームーンの作者の武内直子も80年代はいわゆるロリコン誌を読んでいたそうだ。

単行本は読んでたのでこれも見たことあるはずなのだが、忘れてたのか記憶に残らなかったのか……。

さておきそうした「男性向けの体裁で女性が表現し、女性が受け取る」という場面はなにも漫画だけの話でもない。

俺も正直驚いたのだが、ストリップ劇場がそうなりつつあるのだそうだ。浅草ロック座というストリップ劇場には女子トイレにノートがあり、ストリップ劇場に通う女性たちが様々に書き込んでるのだそうだ。それは興味深いと思っていたら、なんと幸運にも取材させていただけるのだという。さっそく……といってももう1年ほど前になるが、実際に取材させていただいた。本当はもう少し早く書きたかったのだが1年もたってしまって申し訳ない。

花の舞台

浅草ロック座の入っているビルの写真
浅草ロック座

まず見たこともなかったので、実際にストリップのショーを見せていただいた。想像とはまるで違うので本当にびっくりした。いきなり始まったのはどう見てもアイドルのような衣装を来た踊り子さんたちで、本当にかわいらしかったのである。ストリップ劇場になんとなく抱いていたウェットな雰囲気とはまるで違っていた。

その次に始まった小宮山せりなさんという踊り子の演技を見て、また意表を突かれた。彼女の衣装と演技は、まるで女児アニメの世界から飛び出てきたようなかわいらしさだったからである。月に乗って宙を舞う姿は、魔法少女アニメのED映像のようであった。

他にも宝塚を意識したような男装があったり、セリフのない寸劇が繰り広げられたり。それぞれよく練られ、厳しい稽古をくぐり抜けねばできない舞台がそこにはあった。

どうやら彼女らは望んでその舞台に立っているのだという。先輩踊り子たちへの憧憬や、表現の幅など、それぞれ魅力を感じて自分の意志でその舞台に立っている。また、公演は1日に4〜6回はあるようで、そうとうキツい運動量になるはずだ。嫌々やっていたらとてもじゃないがもたないだろう。

一応裸になってポーズを取るという決まりはあるようなのだが、これも刑法174条(公然わいせつ罪)との関係で一定の型があるようだった。たかが性器が見えたか見えないかくらいで罪になるような法律のほうがおかしいのではあるが。

ただそうした決まり事さえ守ってればあとは自由なようで、本当に多種多様な演目が見られて充実した2時間であった。

女子トイレノート

浅草ロック座の女子トイレノート
浅草ロック座の女子トイレノート

先にショーを見てなかったら、スタッフの方に持ってきていただいた女子トイレノートに書かれてた意味がさっぱりわからなかったかもしれない。

一部抜粋してみよう。

ダンサーのかっこよさうつくしさなきました。 2回目です。またきます!

北海道から矢沢ようこさんを観に来ました!!が、 皆さん本当に素敵で魅入ってしまいます♡ また絶対来ます!!

本当に感動して勇気をもらいました!!!! ありがとうございました♥♥♥♥♥

沙羅さん、いっぱい好きです……! 美しすぎて、息が止まります♡

初めて! かっこいーー♡

知らずに見てたら自分とは感性の違う人たちがそう言ってるだけなのかなと思ったかもしれない。そんなことはなかった。本当に浅草ロック座の踊り子さんたちの演技は美しく、かっこよく、芸術的であった。

では彼女たちはアートの一種としてストリップを楽しんでいるのだろうか。

すずかねいろさんの(読み取れず)……!! おっぱい!!! ビール!!! 最高!!! 楽しい時間をありがとうございます

最後の方は別格Sexyで女の私がドキドキしちゃいました。 すてきな一日になりました! ありがとうございます♡

しおりーぬ〜~~今日もわかいいよ~~〜~~

初めて来ました。玲奈さんめちゃくちゃ可愛い!!! まこさん色っぽすぎて感動しました..♥ 楽しかったです!

清本さんの体がとてもキレイ...! 他の皆さんも美しくて……! キレイな作品を見れて感激です。

今回すごく楽しくてみなさんも可愛らしくエロく♡ ステキです!!!!

有沢さんセクシーすぎる♡♡大好きです! せいのさんカッコイイ~!!!

りさchan sexy♥すぎるぅ♥♥ さいこーに美しい(笑顔の絵)

ヤバイ キレイ

日常を忘れられます。 皆さんカワいくてステキで ダンスも練習大変なんでしょうね♡

尊い

とにかく体がキレイ ステキすぎでした。 かわいすぎます。 踊りもキレイでした

みんな、かわいいー、うつくしいー、サイコー、ありがとー!

はじめてきました!!!! キレイなからだ、肌、ポージングもキレイ、すごい!!! 強さに感動、感動!! です

みんな宝石みたいに美しいです(宝石の絵)

このへんを見ているとむしろ多くの女性たちが「性的に」踊り子さんたちを高く評価し、魅了されていることがうかがえる。

エロいとかかわいいとかは決して男性目線ではなく、女性目線でも同じように見えるのだ。考えてみればあたりまえのことで、そんなところに性差などあるわけがない。あると思ってるほうがおかしいのだ。

Male gaze(男性のまなざし)という概念があり、多くの芸術や娯楽作品がそうした影響のもとに作られている、なんてことを言い出す学者もいる。本当にそうだろうか。

もしそのような影響があるのであれば、男性向けの体裁をとったまま女性が発信し女性が受け手になることなんてあるのだろうか。あったとしてもごく例外的になってしまわないか。このようなある種の女性たちによる男性向け表現の「乗っ取り」とも言えるような現象が起きるだろうか。

浅草ロック座の女子トイレノートはたいへんな分量で、とても例外的な話には見えない。昨今ではこうしたストリップショーの客の半数が女性であることも珍しくないのだそうだ。

海外でもストリップショーを女性が見に行くことはあるようなのだが、やれ政治風刺がどうだ、太った格好でも魅力がどうだ、といった話が挟み込まれ「イイワケ」を入れておかねばならない雰囲気を感じる。

そんなイイワケはいらない、ただただかわいい、ステキだ、かっこいい、そんな憧れをもってショーを楽しんでる彼女らの言葉は、純粋に見える。

そう、幼い日、ただただそれが楽しくて紙にクレヨンで「お姫さま」を描いていたあの頃のように。「少女の憧れ」がそのまま現れるように。

男が男に憧れることもある。同じように、女が女に憧れることなんていくらでもありふれている。

磨き上げられた女の体は女が見ても美しく、ファッションも含めて「女性らしさ」がたたえられた容姿に心惹かれるのもまったくおかしなことではない。そうでなければ着せかえ人形などに夢中になる子供たちがあんなに多いわけがない。

考えてみればあまりにもあたりまえすぎる話なのだが、ついつい「女性らしい容姿」は男の好みに合わせてるように思い込んでしまう。それは偏見なのだというのを思い出させられた。男っぽい趣味をする女性を見て彼氏の影響だと思い込むのと一緒だったわけだ。ピンクが好きな女は男に媚びてピンクを纏うのではなく、本当にピンクが好きでピンクを纏うのである。

Just for fun! 楽しむことにイイワケは要らない。美しいもの、かっこいいもの、かわいいもの、それらに心惹かれることに理由も要らない。表現したいものを表現することにも、なんの遠慮も要らない。

男であるとか女であるとか、そんなことは関係なく、美しいものは美しく、かわいいものはかわいいのだ。そんなことを思い出させてくれる取材体験だった。

女子トイレノートを見せていただいた浅草ロック座のみなさん、取材に誘ってくださった荒井禎雄さん、本当にありがとうございました。記事を書くのが遅れて本当にすみません。

未来を生きるために「戸締まり」をしていく

すずめの戸締まり:公開10日で興収41.5億円突破 299万人動員 という記事。先週にも興行収入40億円を突破した新海誠監督の最新作、順調にヒットしてるようでなによりである。実は公開されてわりとすぐ見に行っていて、たいへん楽しませていただいた。そういえば感想文を書いてなかったなと思って少し書いておく。

公開されて3週間なのでそろそろネタバレも気にしなくていいだろう。

おすすめかどうかと言われたら間違いなくおすすめである。椅子と猫のおいかけっこシーンなどアニメとしてもたいへんコミカルかつテンポよく、くすくす笑いながら見ていた。おもしろおかしいアニメでもある。

本作をもって新海誠の「災害三部作」「ディザスター三部作」の完結であるという向きもあるようだが、俺もほぼ同意である。「君の名は」「天気の子」でも描かれていた「災害」への向き合い、それがこの映画にすべて結実したのだと思った。

「君の名は」では災害は「過去」として描かれた。消えてしまった命を、SFともファンタジーとも取れる舞台装置で取り戻そうとする物語だった。

「天気の子」では災害は「共にあるもの」として描かれた。まさにいま現在、自分たちを蝕む災害を解決するのではなく、その災害の中でも本当に共にありたいと願う恋が描かれた。

天気の子

天気の子

  • 醍醐虎汰朗
Amazon

では「すずめの戸締まり」の「災害」はいかようにして描かれていたか。

本作における災害は、「ミミズ」と呼ばれるある種のモンスターとして描かれる。その普通の人には見えないミミズが「扉」から出てきて、震災をもたらすのだ。主人公らはそのミミズを扉の向こう側である「常世」に押し戻すための旅をする。

「ミミズ」が出てきて震災が起きる場所は、実際の震災とリンクしている。出発地となる大分県のミミズは大分中部地震や熊本震災あたりを象徴しているのであろう。四国のミミズはおそらく近いうちに起こるとされる南海トラフ巨大地震だ。神戸は言わずとしれた阪神淡路大震災、東京は劇中でも語られたように関東大震災、そして最後に立ち向かうミミズは宮城、そう東日本大震災である。

主人公の鈴芽はその東日本大震災の被災者だ。まだ4歳ほどだった鈴芽は震災で母を失い、大分の叔母の家に引き取られている。その鈴芽が「閉じ師」である宗像草太と出会い、恋に落ちるところから2人の旅は始まっていく。

日本各地の廃墟にある扉から出てこようとする「ミミズ」を封じる時には、その廃墟で暮らしてたはずの人々の声が聞こえてくる。かつての幸福な記憶、人々が暮らしていたはずの街の思い出。それらが失われた現在の姿との対比が、見るものの心を締め付ける。

それを見ていてふと思ったのは、このミミズとは「私たちの苦しみや悲しみ」そのものなのではないかということである。

人生はよいことばかりではもちろんない。多くの悲しみや苦しみを抱えながらも、それを心のうちに封じ込めて、人は生きている。

そうした封じ込められた悲しみや苦しみが、ときおり顔を出すことがある。たとえば劇中で叔母が鈴芽につい発してしまった「本音」などだ。劇中ではない現実でも、インターネットの書き込みにそうした「悲しみや苦しみが顔を出した」人々がいるのが見受けられる。その暗喩としてあの「ミミズ」は描かれてるのではないだろうか。

そう考えていくと「扉」の向こう側の「常世」と呼ばれる世界は、我々の内心そのものであることに気付かされる。災害とは喪失だ。多くの苦しみや悲しみが「扉の向こう」では渦巻いている。

「ミミズ」とは我々自身の慟哭であり、「扉」とは個人と社会を隔てる壁なのである。パブリック空間とプライベート空間の境目こそが「扉」なのだ。

その扉を閉じていくこの旅は、あの震災と向き合い直し、自己の悲しみや苦しみをもう一度封じ込め、生きていくための旅なのである。

だから「閉じ師」の仕事は終わらない。悲しみも苦しみも、どれほど抑えていようとも、いつかその扉を開けて吹き出してしまう。そんなの人間ならみんなそうだ。そのたびに祝詞を唱え、封じていく。

だから最後の戸締まりは「行ってきます」なのだ。どんな思いもギュッと内に押し込め、俺たちは外に向けて笑顔を作る。生きていくために。社会と関わるために。

それはこの映画の制作が始まった頃から始まったパンデミックでもそうだ。家族や友人をこの新型ウイルスに殺された人々は少なくない。その悲しみも苦しみも、ときおり耐えきれずに慟哭してしまう。だが、そのたびに「戸締まり」をして、また外へ、社会へとつながっていく。そうやって我々は今も生きているし、過去の戦争や災害でもそうだったのであろう。

今日もどこかでミミズが飛び出している。「閉じ師」にはきっと誰もがなれるし、誰もがなるべきなのであろう。未来を生きるために。

喫茶リコリコとマイクロ共同体主義

今年の夏アニメでは最も話題であったろうリコリス・リコイルが完結を迎えた。「女の子でシティハンターをやろう」というコンセプトだったそうなのだが、シティハンターに夢中だった俺としても大満足の13話だった。

このアニメの魅力は語り尽くせないところがある。「平和で安全な日本」は実は危ない奴らを殺して回ってる無国籍の女の子たちが作っていた、という作品背景はまさにディストピアだ。だが主人公である錦木千束の天真爛漫なキャラクターもあいまって、全体としてはとても明るく楽観的な作風に見える。設定のシリアスさと明るい演出とのギャップにまず惹きつけられる。

「平和で安全な日本」という虚構を作り出す主人公側の組織と、その虚構を破壊しようとするテロリスト、という対立構造が明かされてくると、もう完全に物語の世界にはまりこんでしまう。

この対立構造は「正義vsまた別の正義」として描かれてる。だが主人公の錦木千束はどちらの立場にも与しないところも興味深い。

千束の願いはささやかだ。父親代わりの訓練教官だったミカとともに「喫茶リコリコ」を運営し、自分の周りで困ってる人たちの助けになること。そこには正義なんて微塵もない。ただただ半径数メートルの幸福に、自分が寄与できたらいい。そういう小さな願いだ。

思い起こせば、「シティハンター」も冴羽獠という世界最高峰の銃の名手が、新宿という小さなエリアで日常を過ごしていく話だったようにも思う。

このような千束のあり方に「マイクロ共同体主義」という言葉を連想した。

彼らの多くは「マイクロ共同体主義」とでもいうべき人生観を持つ。すなわち「自分と自分の仲間内だけがうまくいけばそれでよい」という最適化戦略を取っているのだ。自民党が推進する「自己責任」の規範を内面化しつつ、新自由主義的な社会を生き抜いていかねばならないという文脈で、少なくとも社会的・経済的には「現状維持」を提供してくれそうな政党として、彼らは消極的に自民党を選好している。

なぜ若者は、それでも「安倍晋三」を支持するのか(御田寺 圭) | 現代ビジネス | 講談社(1/7)

ひところよく「大きな物語の終焉」などという言葉を並べるよくわからない言論人たちがいたが、こういうことだったのかなと今では思う。大上段に構えた「正義」や「ただしさ」のような大きな話はピンとこない、あるいはシラけた目でしか見ることができない。そんなことより眼の前の生活や周囲の人間の状況をなんとかしていくことのほうがはるかに重要。半径数メートルの幸福が、そのすべてだからだ。

こうして考えてみると「リコリス・リコイル」におけるディストピア的でシリアスな世界設定と、明るく生きる千束たちの対比は、まさに現代を生きる人々を象徴してるように思う。

世界はパンデミックやら戦争やら経済問題やら大きな話で大混乱だ。ネットでは正義の味方ぶった連中が暴れまわり、小市民の小さな喜びすら世界をひっくり返す大犯罪であるかのように叩いて回ってる。

そんなクソみたいな世界に背を向け、半径数メートルの幸福を大事に生きるマイクロ共同体主義の人々の姿には、あの明るく天真爛漫な錦木千束の姿が重なって見える。

だからこそ今の時代に「リコリコ」は強く刺さったのではないだろうか。だとするならば、こんな時代にあるべき正義はいかにして語られるべきだろうか。

2021年、今年買ってよかったものいろいろ

ちょうど友達と「今年買ってよかったもの」の話をしていて、Amazon の注文履歴からこれはよかったなというものを抽出していた。なんと、はてなブログ今週のお題「買ってよかった2021」というのもあるそうなので、せっかくだからブログにも書いてみよかと思う。

メガネ曇り止めクロス

昨今は映画館でもマスク着用を求められがちなのだが、眼鏡がくもってしまってたいへん不快であった。しかし友達から教えてもらった曇り止めクロスを使ってみたらぜんぜん曇らないので、最近は映画館に行く前にこれでメガネを拭いている。実に快適になった。

懸垂用の突っ張り棒

つっぱらせるだけでも耐荷重100kg、ネジ止めの受け器具を使えば150kgに耐えられるというすごい突っ張り棒。昔から引きこもって仕事をしてるもので肩こりが本当にひどいので、生活動線中にこれを設置してときどきぶら下がるようにしている。だいぶマシ。

マウスバンジー

いやいまどき有線マウスなんてありえないだろうと思ってたのだが、マウスバンジーを使うとぜんぜん紐が絡まらないのでめちゃくちゃ快適。どうも有線マウスにこだわる FPS ゲーマー向けの商品らしいのだが、こんなに絡まないなら充電や電池交換の手間がない有線マウスをメインにしてもいいんじゃないかと思い始めてるレベル。

紐をうまくマネジメントしてやるだけでこんなに使い勝手が変わるとはねえ。衝撃だった。

ノンフライヤー

友達がいいよいいよと言ってるので試しに安いやつを買ってみたんだがすばらしい。野菜のおかずは作り置きしているものの、メインのおかずを作ってるヒマがないときはこいつに冷凍からあげを放り込んで180℃で12分ほどかけてやればあっという間に揚げたてのような唐揚げができあがる。

しかも脂を落としてくれるので意外とヘルシー。フライドポテトなんかも200℃で18分ほどで出来上がる。スーパーで売ってる味付け肉なんかもいい感じに焼いてくれる。

しかもほったらかしでかけたらもうやることがないので、その間に10分程度のストレッチやコアトレーニングをしてると運動不足解消にもなる。この10分の隙間がなかなか取れないのでたいへんありがたい。

ホットクック

いやマジでこれは本当に革命的。シチューやスープなどの汁物を普段から煮込んでおけば朝ごはんは温め直すだけでいいし、混ぜ技ユニットをつけて長時間煮込めば冷凍肉もほろほろにほぐしてくれる。うちではシチューの他に冷凍ささみと適当な野菜を入れたスープカレーもよくつくる。コンソメとカレー粉を適当に入れるだけで十分おいしいし脂質もほとんどない

作りおきによく作る切り干し大根の煮物や卯の花なども任せられる。軽く20〜30分煮たら手動調理の「煮詰め」を選択し、40〜50分ほど煮詰めて様子を見るといい感じに汁気がなくなって作り置き向きになる。

ゲーミングヘッドセット

いったいどれを買ったらいいのかよくわからないこのジャンル、音質がーとかつけ心地がーとかいろいろあるのだが、とりあえずロジクールのG533を買っておけば間違いない。そこまで高音質とは言わないが十分迫力はあるし音位もドライバでそういうモードに設定すれば本当にはっきりわかる。

しかも最近の Linux でも刺すだけでちゃんと動作する(Debian GNU/Linux 11 bullseye で確認)。これで Proton を使って Linux 環境でしばらく Rocket League をやってたのだがなかなかよかった。さすがに GeForce MX450 のディスクリートGPUでは100fpsくらいがせいぜいで、下が40fpsくらいなのできつかったが、50fpsや60fps固定にしたらだいぶマシになった。下限が60を切らないくらいの性能になってくれると嬉しいんだがなあ。

あ、難点は充電が MicroUSB であること。そろそろ USB-C に統一したいよねえ。

ヘッドホンフック

上のヘッドセットと一緒に買ったのだが大正解。なんか置き場所がない予感がして念の為に買ったのだが、机の下にぶら下げるというのは想像以上に快適。マジでよいです。

ケーブルホルダー

Anker のこのケーブルホルダー、本当に便利。上のヘッドセットの充電ケーブルなどをこれで机に貼り付けてるが、磁石なのでかんたんに片付けられる。

俺はがさつなものでついついケーブルを垂らしっぱなしにして椅子の脚で踏んでしまって断線などよくしていたのだが、これのおかげでそれもなくなった。

HHK Pro Hybrid Type-S

これが不満なわけがないんだが、昔のモデルから20年以上使ってるのでもうほかのは使えない。とはいえ無線はラク。ゲーミングPCとMacBook を Fn + Ctrl + 数字で切り替えられるのも便利。

難点はわりとすぐスリープに入ってしまって電源ボタンを押さないといけない羽目になることくらいか。ちょっとゲームをしてるとキーボードが効かなくなる。1時間くらいに設定されてるんだろうか。

他のマウスなどは操作すればすぐ反応してくれるので、これもそうなってほしいなあという気分はある

壁美人

いやびっくり。テレビみたいな大きなものまでホッチキスで壁につけられるとは。 ホッチキスでも1本で1kg程度は耐えてくれるらしい。それを大量につければ耐荷重はあがるということらしい。もちろん単純に掛け算したぶんだけ増えるというわけでもないようだが。

カード型AirTagケース

iQOS のケースに AirTag を入れておこうとしたのだが、AirTag はすぐ転がってしまう。困ったなあと思ってたら見つけたのがこれ。 カード型にしてくれるのでいろんなところにするっと入って転がり出てくれることもない。AirTag は小さいのでケースによって使い勝手がどんどん変わるね。こういうところもおもしろいのだが。

Anker PowerPort Atom III 63W Slim

写真を見てもらうとわかるのだがなんと45W充電可能。つまり MacBook Air くらいのものならこれで充電できてしまうわけだなー。小さくて軽く机の下に貼り付けるために買ったのだが、これはモバイル用にも有用すぎるってんでもう1個買おうかどうか悩んでる。

ただ PS5 コントローラの DualSense は充電できない。どうも対応してないようだ。これが充電できるモデルが出てから買い足そうかなあ

フィリップス 5000シリーズ 電気シェーバー

肌が弱いもので髭剃りにはいろいろ苦労があるのだが、これはぜんぜん痛くないのでびっくりした。慣れないときちんと剃れないみたいでまだ剃り残しがちなのだが、まあそれでも十分、髭をそって半日たった状態だと思えば違和感もない。慣れてくればもっときちんとそれるようになるらしい。

ブラックフライデーセールのときに買った型落ちなのだが、在庫がなくなってるようなので新モデルのほうを買うといいかも。

その他にもいろいろ

迷ったので即ポチはしなかったのだが、iPad mini は買って大正解だった。10.5 インチの iPad も見開きで漫画が読めて快適だったのだが、寝転がったりして片手で持てる iPad mini は本当に便利。普段は Smart Folio を取り外して、ハンドストラップをつけて漫画を読んでいる。

これだと少し大きいので斜めがけするハメになるのだが、まあそれでもないよりはマシ。もう少し短いやつがあるといいんだけどなあ。

さてもう1記事ほど書きたいネタがあるのだが、ちょっと今年中には書けないかもしれない。これが今年最後の更新になるかもしれない。このブログ、狐の王国も HNS で2001年に始めてから20年が経つ。21年目もぼちぼちやっていくので、よろしくおねがいします。

また来年、よいお年を。

「本当の意味で批判的な態度」は、まず褒めるところから

「本当の意味で批判的な態度」について考える - メロンダウトという記事。現代の思想的状況でほんとうの意味で批判的な態度はあり得るのかと問いかける記事。

確かに記事の通り、いまは複雑な状況にある。特に日本においては、バラモン左翼とビジネスエリート右翼が結託して資本主義を利用した全体主義を推し進めてるようにしか見えない。こういう状況で「批判的な態度」はどうあるべきか。

それはね、「褒めること」だと思うんですよ。

「批判」というと昨今の若者言葉の文脈では悪いことであるかのように使われているそうだが、批判そのものが悪いわけじゃない。ダメ出しをすることが批判だと思ってる人もいるようだが、「批判」にそんな意味はない。

① 批評して判断すること。物事を判定・評価すること。 (中略) ③ 良し悪し、可否について論ずること。あげつらうこと。現在では、ふつう、否定的な意味で用いられる。 批判とは - コトバンク

ここでも今の時代では否定的な意味で用いられると買いてあるが、本来は良し悪しを見分けることが批判なのである。つまり悪いところを指摘するだけが批判じゃない、よいところをしっかり指摘することも批判なのである。

上記記事のネタ元である思想家東浩紀のツイートを見てみよう。

反アベといえばちやほやされる世界で、それが批判になるわけがない

だからいまは本当の意味で批判的なのはどういう態度なのか、原理から考えねばならない

では安倍前首相を「批判」するときにはどうすればよかったのだろうか。「反アベ」とは単なる全否定でしかない。すべて否定してしまえば済むのだから頭を使う必要もない。良し悪しを分ける必要もない。それは知性的な態度だろうか。

だからまず「褒める」ところからだと言ってるわけだ。

少なくとも安倍前首相の就任直後に金融緩和をやり円安政策に振った点については褒めざるを得ない。リーマンショックからの回復がうまくいかず、いっときは今の日本はタマネギを切る仕事すらないとまで言われた状況から、国内に仕事を戻し、有効求人倍率も1を上回り、就職活動を飛躍的にラクにしてくれたのだから。若者に安倍支持が多いのもうなずける話である。

ではそのおかげで日本経済は順風満帆だったろうか。そんなわけない。安倍政権は消費税を2度もあげてしまい、日本経済に致命的なダメージを与えてしまった。アベノミクス3本の矢と言われた「金融緩和」「大規模財政出動」「構造改革」のうち、実際にやったのは金融緩和だけだ。大規模財政出動はコロナ禍が始まってようやく100兆円程度出したにすぎない。

こうして考えると総合的にとても褒められた政権ではなかった。やると言ったことができず、長期政権だった割に目標だったインフレターゲット2%すら達成できなかったのだから。

しかし批判のポイントは明確になる。いわゆるリフレ派の経済政策をやると言ってるのにさっぱりできてない、それどころか消費税をあげるとはどういうことなのか。言ってることとやってることが違いすぎないか。別の経済理論を採用するならそれでもいいが、じゃあ何を採用してなにをどうするのか、なにも見えてこない。

こういうポイントをしっかり「批判」できなかったから長期政権になってしまったのではないのか。

大蔵省時代から問題視されてきた官僚の権力の強さ、財務省の支配力の問題も合わせて考えれば、安倍前首相と財務省との間になにかがあったことは疑いようもあるまい。そこをつければいわゆる森友問題も違う展開があったのではないのか。

何事も良いだけのことも悪いだけのこともない。花粉症ですらコロナ禍においては「マスク着用」の社会的許容性を高め、他国よりは随分マシな被害に抑え込むことに貢献している。

昨今批判のターゲットにされている現代「リベラル」だってそうだ。エシカルであることをオシャレと結びつけて、特に若者に現代倫理的な行動を促すことに成功しつつある。環境問題になかなか興味を持ってもらえなかったことを考えるとこれはすばらしいことだ。

反面、そうしたエシカルさを「他人を貶める」ことに使う輩を止められていない。エシカルであることは他人には強制できない性質であることを本来の「リベラル」であれば知ってるはずなのに、政治的に利用しようという下心でもあったのではないかと言われたら否定もできまい。ましてやそうした行動がいわゆる「リベラル」そのものへの反発を生み出してることに少しは自覚を持てとしか言いようがない。

繰り返すが、何事もいいだけのことも悪いだけのこともないのである。かならず良い面も悪い面もある。それをこうして切り分けることが「批判」であり、「ほんとうの意味での批判的な態度」ではないのだろうか。

狂った活動家や思想家は、他人の話ばかりする。誰それがどこの立ち位置だとか、ポジショントークがどうだとか。そんなことはどうでもいい。

「本当の意味で批判的な態度」は、良し悪しを見分けようとする姿勢だ。全否定でも全肯定でもないといえばあたりまえが過ぎる話だ。

そんな「あたりまえ」をどうして忘れてしまったのか。そのことを深く深く反省する必要がある。

そして1日1つでいい、誰かを褒める練習から始めていこう。「褒める」という行動をする自分に慣れていこう。本当の批判はそこから始まるのだから。

Sugano `Koshian' Yoshihisa(E) <koshian@foxking.org>