狐の王国

人は誰でも心に王国を持っている。

オタクのハートは乙女のココロ

背徳の喜びを感じるアニメは何?【海外アニメフォーラム】という記事。いつも楽しく海外のアニメファンたちの動向を伝えてくれる誤訳御免!の記事。

「背徳の喜び」なんていうからもっとヤバいものを想像してしまったが、なんのことはない、18歳にもなってポケモン見ちゃってるんだとか、雄々しい男だと自負してるのに萌えアニメを見てしまうんだとか、そんな話が多かった。そいつは俺らが10年以上前に通った道だぜ!!とか言いたくなった。

監督不行届 (Feelコミックス)

監督不行届 (Feelコミックス)

それでふと思い出したのが、安野モヨコ監督不行届という漫画。

「日本4大オタク」の一人であるあの庵野秀明と結婚してしまったちょいヲタ入ってたけどがんばって脱オタしたはずの作者が、だんだん旦那に毒されつつもオタクというものに対してあまりにもすばらしい洞察をしていく。

その中でも特筆モノなのが、「オタクって乙女なんだなあ」というセリフ。仮面ライダーの変身ベルト(大人用)を買って装着し、「みてみてー!!」と興奮して妻に見せびらかす旦那の姿を見ながらつくづく言うセリフだ。男女を入れ替えて変身ベルトを宝石あたりにでも置き換えたら、まさしく乙女の行動そのものではないか、と。

言われてみれば妙に傷つきやすかったり、いつか白馬の王子様ならぬ空から女の子が振ってきてステキな恋愛ができるとかどこかで思っちゃってたりするとこも、確かに乙女だ、乙女としか言いようが無い。

とらドラ!1 (電撃文庫)

とらドラ!1 (電撃文庫)

これはオタクが好んで見るアニメ作品なんかにも見て取れる。最近おもしろいのが「とらドラ!」というアニメなんだけれども、もう見てると恥ずかしいくらいの男女逆転ラブコメ。主人公の男の子は家事万能で優しくて、ヒロインの女の子は乱暴者だけど純真で、それぞれ別に好きな人がいるんだけどなんとなく引かれあっちゃってたりして、もうもうこのこのっていうくらいの恋愛モノ*1。オタクに大人気のエロゲはエロと名は付くものの中身は純愛物だったりするしなあ。エロ抜きの全年齢対象版の方が物語に入り込めていい、なんて意見もどっかで見たっけな。Kanonとか遊んでみた限りでは確かにその通り。

冷静に考えてみりゃ、いい年した男が純愛ラブコメとか見てニヤニヤぽわわ〜んうじうじイライラしてるなんて気持ち悪い。でもやっぱおもしろくてやめられないんだな、これが。うわー、スイーツやめられない女の子みたいじゃん。

かわいいものが大好きで、ちょっとあり得ないような恋愛に憧れちゃってて、傷つきやすくて……。

オタクってのはどうしてこう乙女かねえ。

オンナノコになりたい!

オンナノコになりたい!

そういやオンナノコになりたい!なんて本があったっけなあ。単なる女装趣味とはまた違ったテイストを感じるんだよね、こういうの。誰かがはてぶコメントかなんかで「オタクの究極の願望は女の子になることなんだよ」なんて言ってたけど、ホントにそうなのかも。

ある意味、オタクってのは性同一性障害の一種なのかもしれんなあ。

*1:へだちさんの書評を読むと先々の展開ではその限りではないようだけどね

Sugano `Koshian' Yoshihisa(E) <koshian@foxking.org>