狐の王国

人は誰でも心に王国を持っている。

人生を変えたいなら「好き」なものを見つけるところから

無職が失業保険使ってチケット台本を80セット(約24万)買った話(理由)|本岡宏一|noteという記事を読んだ。人生を変えたいという希望を、邪悪な存在に取り込まれてしまったようで本当に言葉も出ない。

似たような話に、プログラミングスクールが昨今話題だった。

javablack.hatenablog.com

たかだか数十万円のコストで年に1000万も稼げるような技術者を育成できるなら、そんなノウハウは普通は表に出てこない。それを使ってたくさん仕事を請け負ったほうがずっと稼げるからね。

若い時代には、自分の可能性を信じたいものだ。自分にも大きく成功するルートがどこかにあるはずだと。だからこそいろんなことにチャレンジできる。それ自体はすばらしいことだ。

でもね、だいたいのことって「子供の頃からそれが好きで好きでたまらない」って人たちが、無我夢中で人生をかけてやってたりするんだよ。

news.yahoo.co.jp

ある卓球ストーカーの全日本卓球 弁護士への道も公務員の職も捨てて・・・(伊藤条太) - 個人 - Yahoo!ニュース という記事が話題だった。こういう人は才能のあるなしなんて関係ない。ただそれが好きだから、好きで好きでたまらないからやってるんだよ。

そういう人たちに、たかだか数ヶ月の努力で追いつけると思うか?

好きなことというのはやっていて苦痛にならない。それこそ1日16時間くらい夢中になってやり続けてても疲れなんてさほど感じない。だって楽しいんだもん。もっと見たい、もっとやりたいっていう気持ちのほうがずっと強い。そんな生活を2〜3年も続けると、1〜2万時間ほどの積み上げになる。

1万時間の法則というのがある。様々なジャンルの天才たちがどれほどの積み上げで天才と呼ばれるようになったか調べた人がいたのだ。だいたい平均すると1万時間程度の積み上げが必要だったという。

もちろん個人差はあるし、練習の質が高ければもう少し短い時間で達成できることもあるだろう。でも平均すれば1万時間だということは念頭においておいて欲しい。

さて、嫌いなことを1万時間もやり続けられるだろうか。それもスタートラインに立つまでが1万時間だ。そこから先もずっと続けていくことだ。嫌いなことにそんなに時間を費やしていけるだろうか。

無理に決まってるだろ

だからね、人生を変えたいならまずは自分の「好き」を見つけることからなんだよ。1日16時間を3年間、毎日毎日休みなくやり続けて苦痛どころか楽しくてしょうがない。そんな自分の「大好き」をまずは見つけること。

「好きなことで生きていく」というキャッチコピーが話題だったことがあった。なんかポジティブな感じで、夢を追うかのように語られてたが、その言葉の裏の意味を知っている人はあまりいなかったようだ。なにかを成功させるためには、「好きなこと」でもなければ耐えられないほどの時間をそれに費やさなければいけないということを。

だから自分の心に聞いてみよう。自分はなにが好きなのか、なにに夢中になって生きていたいのか。小学生くらいの頃の自分を思い出してみるといい。なにが好きだった? なにが欲しかった? それのことが気になって四六時中そのことばかり考えてたものはなにかなかった?

俺の場合はコンピュータだった。プログラミングがしたくて、パソコンを買ってもらえなくて紙にプログラムのコードを書いていた。なにを作りたかった。動くものを作りたかった。そんな小学生時代を過ごしていた。そんなことは忘れていた学生時代、体を壊して実家で療養を始めていた。お金もなくて、友達からもらった部品でパソコンを組み立て、無料のOSを入れて遊んでいた。そのとき、思い出した。俺はなにが好きだったのかを。なにをやりたかったのかを。あの頃は本当に1日16時間くらいコンピュータをいじりまわしていた。コミュニティに質問を投げ、図書館に技術書を10冊以上リクエストして読み漁り、2〜3年たつと質問に答える側に回っていた。いつしか、それを見たコミュニティの人たちが少しずつ俺に仕事を回してくれるようになった。そうして俺はいつの間にかプログラマになっていた。「好きなことで生きていく」、そんな人生を手に入れていた。

どう? 自分の心に、それくらい夢中になれるほどの「大好き」は見つけられたかい? 見つけたらこの記事も読んでいってくれ。

koshian.hateblo.jp

見つけられなかったら、これから探せばいいさ。おもしろそうなことにチャレンジしていこう。楽しいことをやっていこう。なに、仕事にならなくたっていい。楽しい趣味はそれだけで人生を豊かにしてくれる。まずは人生を投げ出せるくらいの「大好き」を見つけよう。その対象が「ある個人」だという人もいるかもしれない。それはそれでよい人生だよ。好きなことのために、生きていこう。

Sugano `Koshian' Yoshihisa(E) <koshian@foxking.org>