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狐の王国

人は誰でも心に王国を持っている。

ヒステリックな日本が発展途上国に学ぶもの

いつの間にか3月。バンコクの地に足を踏み入れていつの間にか1年が過ぎていた。なんともたくさんのものを見て、たくさんの人に出会った1年だった。

予想以上に簡単だったものもあれば、想像以上に難しかったものもある。いまだうまくいかず試行錯誤の日々であるが、たくさんの人のおかげでなんとか生きている。

いろんな都合で東南アジア諸国を見て回る機会もあり、またタイで初めてできた友達の一人がマスターをつとめるバンコクの日本式バー「ウッドボール」で出会った友人知人からいろんな話を聞かせて頂いている。

おかげで発展途上国というものに対する認識は、この1年でずいぶん変わったように思う。

ガタログ+のガタさんにはよくサパーンレックに連れてってもらう。そこにはアニメやゲーム、フィギュア等々がどっさり売られている。もちろん中には偽物も混じってる。堂々とコピー品を売ってることもあれば、精巧で本物とは見分けがつかないこともある。しかしそこにはゴールドライタンはじめ懐かしの超合金などもちゃんと本物が置いてある。カード系も山程売られてるし、ゲームに興じるタイ人の若者もいっぱい集まっている。タイにもコレクターがいるんである。偽物が混じってるだけに彼らの審美眼は意外と鍛えられて行くかもしれない。

オタク繋がりでいうとバンコクで最初に遭遇したオタクでもあるだらだらバンコク ~人生やりっぱな~のげのさん。この人のせい^H^Hおかげでどれだけタイにおけるオタク人脈が広がったか。まだ行けてないのだが、コスプレイベント、同人誌即売会などがここバンコクでも毎月開かれてることを知ったのは彼女のおかげであろう。割と適当だったり日本のもののトレースだったりするものが多いとも聞くが、それでも毎月イベントが開催できるだけのパワーは本当にすごいなと思う。そして実際同人誌の絵がまた綺麗だったりするのだ。pixivなどで活躍するタイ人絵師も少なくないらしい。

公私に渡ってお世話になってる31o5さんには、コンピュータやネット方面のオタク繋がりを広げていただいた。id:elm200さんと出会えたのも31o5さんのおかげだろう。Barcamp や hacker's space、TEDx といった英語圏のイベントにもよく連れてって頂いている。発展途上国は「遊びは現地語、仕事は英語」みたいなノリがあって、こうしたイベントもやはり英語で行われることが多い。こうしたところから諸外国と草の根的に繋がっている発展途上国の強さ、パワー、そうしたものを強く感じる。またそのイベントも適当で、7:30からっていっとけば8:00くらいには集まるよねとか、参加登録〆切時刻をだいぶ過ぎてるのに行けば入れたりとか、ホント適当。適当だからこっちも気軽に行けちゃうんだよね。

キャプローグのキャップのおかげで、ラジオ出演などもさせて頂いた。ニュースを取り扱ってるだけに諸事情に詳しく、いつも飲みながら社会勉強させて頂いている。ラジオ出演といってもやっぱりテキトーで、打ち合せもなくいきなりネタをふって来たりとかよくあるのだが、まあそんなんでもなんとか成り立ったりするからおもしろい。

他にも数え切れない人たちのお世話になり、たくさんの話や機会を頂いている。みなさん本当にありがとうございます。

発展途上国は実におもしろい。ベトナムのようにこれから発展して行くパワーに漲った国もあれば、バンコクのように多種多様な文化の集合体になってるところもある。こうした国々もいずれ発展して日本のような閉塞感にとらわれるのかもしれないが、きっとそれは数十年以上先のことであろう。

人は何かに向かって生きているとき、きっと輝ける。目標を見失ったとき、どうすればいいかわからなくなる。

よくelm200さんと議論しているのだが、やはり日本人の多くは夢を失ってしまったんだと思う。贅沢するのもかっこ悪いし、質素でも楽しく生きてく方法はけっこうある。それが可能なだけの社会基盤もある。がんばって仕事をしたところで給料あがらんし、あがったところで使い道も無いもんな。

割と子供でも作りゃあがんばる気にもなるもんだが、それとて今の日本じゃ養育に対する要求水準が厳しくて金がかかりすぎる。高校進学が当たり前になったあたりからおかしくなってきたんだよな。公立高校に落ちた生徒を受け入れる私立高校の学費で親が苦しんでたりする。普通に中卒で働ける仕事につけばいいだけだし、転職したかったらあとで勉強すりゃいいだけなんだけど、日本という社会がなかなかそれを許してくれない。

アメリカもそうらしいが、日本はヒステリックで許容範囲の狭い社会になってる。オリンピック選手の服装がみだれた程度でメディアが騒ぎたてる。99%の人を救ってる制度に、1%の不正を理由に異を唱える。

発展途上国のテキトーさがちょっとうらやましい。飲食店を作って開店許可を取ろうとしたら「客も入ってない店に許可なんざ出せるか」と怒られたなんて話も聞いた。愉快な話だ。

でもそんなもんでいいのかもしれない。何もかもきちんとやろうとすればコストがかかる。UNIX哲学のひとつに「9割うまくやれ」というものがある。8〜9割方うまくやるプログラムを書くのは簡単だが、残りの1割を埋めるのはとんでもないコストがかかる、という話だ。

9割うまくやる。残り1割は目をつむるかケースバイケースで。そんな社会が、もしかしたら暮らしやすいのかもしれない。

Sugano `Koshian' Yoshihisa(E) <koshian@foxking.org>