15歳の君たちに告ぐ、海外へ脱出せよという記事。ここ半年ほどずっと仲良くさせていただいてるelm200さんの記事だけあって、俺には実によくわかる話。
プロフィールを見れば彼が日本の最高学府を出てることもわかるし、英語をネイティブみたいにべらべら喋ってたり、タイ語も2週間くらいで話せるようになっちゃうし、翌月には読み書きもしてたりするのも目の前で見てる。アルファベットの使えるヨーロッパ系の言語ならもっと早く読み書き会話習得しちゃうんだろうなあ。
技術面でもそうで、elm200さんが知らなくて俺が知ってるツールがあっても、ちょっと二言三言話しただけで翌日にはそのツールを使いこなしてる。彼がいかに「勉強」というものに強い人間か、というのを俺はまざまざと見せ付けられてる。
その彼が「日本の大学は役にたたない」と言ってしまってることの重要性を、たぶん俺はもっともよくわかる人間の一人だろう。
おまえらな、日本語、英語、タイ語、中国語、韓国語、ベトナム語を話し、覚えようと思った言語はすぐ覚えられる人間が「重要なのは英語」って言ってるんだぞ? これだけの言語を習得・比較した上で言語を選択してる人間が他にどんだけいるんだよ。
パスポート・ブルー―Flight day (1) (少年サンデーコミックス)
- 作者: 石渡治
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 1999/09
- メディア: コミック
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昔好きだった漫画に「パスポートブルー」というのがある。幼い日のロケットと宇宙への憧れを胸に、必死に勉強を重ねる少年の物語。物語の中盤、高校生になった主人公が進学先を聞かれ、まだ迷ってると言いながらこうつけくわえたのが印象的だった。
「大学は、日本だけじゃないし……」
東京の下町、ロケットの部品も作る町工場で生まれた少年。決して天才ではなく、ただひたすらに宇宙への憧れを持つ少年が、自分のキャリアを形成するために、自分の選べるベストを選んで行く。
中学は進学校に進むが勉強についていけず公立中学に転校する。しかし勉強に勉強を重ね、東北地方のトップレベルの高校へ進学する。そして大学も決して難関というわけではないアリゾナ州立大学に入り、落第しながら研究を重ね、チャンスを待つ。
そうしたキャリアを持ち、米国企業からの引き合いももらいながら、主人公が目指すのはあくまで「日本のロケット」に乗ることだった。
この物語は、いま俺やelm200さんが胸にしている希望を体現してるように思う。あえて「日本以外」を選択することで、日本では自分の実力じゃ入れないレベルの大学に行く、というパターンもありえる。そして「日本以外」の大学は多くの留学生を受け入れるがゆえに、そのシステムは洗練され、より効率的な運営がされている。それもelm200さんから教わったことだ。
何より、就職先の幅が広がる。大学の地元でも就職できるし、日本に帰っても就職口はある。一度海外企業で働いて日本に帰ってきたっていいだろう。
こうすることでまず語学を鍛えられ、あわよくば日本よりも高度な教育を受け、運が良ければ日本企業にありがちな「下積み」をスキップできる。さらにお金も日本より一桁上の給料がもらえるかもしれない。
それで儲かったら、次は日本に投資する。新しくて効率的な若い企業を育て、日本人の給与水準を維持しながらも新興国に負けないコストパフォーマンスを発揮させる。あるいは新興国では作れない日本のオリジンを作り上げる。
もしうまくいかなかったら?
だいじょうぶ、これだけのキャリアがあればどこでも雇ってもらえる。日本でも海外でもね。
うまくいけば新しい企業が新しい雇用を生み出し、古い企業の利権に価値は無くなり、形骸化するだろう。新しい企業のおさめる税収で借金も返済し、豊かな日本を再生させる。
そして日本という国を老人から若者へ取り戻すのだ。