狐の王国

人は誰でも心に王国を持っている。

貧しさはすべてを破壊する

バンコクへ来て10ヶ月がたった。
今年は東南アジア諸国を見てまわり、本当にいろんなものを見てきてしまった。

日本自治区の誕生なんていう小説めいたものも書いてしまったが、これは予測として書いたものではない。貧しい国を実際に見てきて、日本が貧しくなったらどうなるのか、というのを書いてみただけだ。

意外に海外在住者のほうがおもしろいと言ってくれる人が多かったように思う。やはり実際に「日本人が海外でやってること」を見てるだけに、貧しくなれば逆も当然あるだろうというのがわかるのだろう。そう、あれは日本人がアジア諸国でやってることをそのまま逆に書いただけなのである。

日本が貧しくなっていくことに危機感を持ってない人をよく見る。そういう人たちに、貧しいということがどういうことなのかを、知ってもらいたいのだ。

貧しければ教育も行き届かなくなる。教育が行き届かなければ差別もひどくなる。著作権なんて守る奴もいなくなる。東南アジアでは本物のほうが入手が難しい。

子供たちは信号で止まった車にたかっては窓を拭き、金をせびる。障害者に仕事は無く、道端に倒れこんで物乞いをする。

海外に逃げる? そんな貧しい国のあやしい奴にビザなんざ出るわけねーだろ。だから外国人と結婚して結婚ビザで脱出図る奴がいるんだろうが。

要するにおまえらが持ってる問題意識なんて貧乏になったら全部ふっとんじまうんだよ!!ということなのだ。

もう日本は没落の道を歩み始めてる。言語選択に韓国語はあるのに日本語の無いシステムなんてのも出てきてるのだ。アニメをはじめとするサブカルチャーが海外で受け入れられてるのも、日本という国の存在感あってこそだということを忘れてはいけない。その存在感が急速に薄れているということに、もっと気づいて欲しい。

そういうわけで20年停滞してるこの日本の経済復興へ向けて、外からできることを少しずつやっていこうと思う。直接的な関与は難しいが、間接的な関与はいくつかできることがあるはずだと思う。

そうした思いを込めて、ひとこと。みなさん、よいお年を。

Sugano `Koshian' Yoshihisa(E) <koshian@foxking.org>