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狐の王国

人は誰でも心に王国を持っている。

日本人の同質性はもっと叩かれるべき

友人とちょっと話してて、最近すっかり忘れてた問題を思い出した。

日本人って自分と違う人を珍しがるよね。

あのな、俺たちゃ珍獣じゃないんだよ。お前らに珍しいものが来たとパンダみてーな扱いされるために生まれて来たわけじゃねーんだよ。

だいたいてめーにとって珍しいからって世界的に珍しいわけじゃねーだろ? 俺みたいなやつは世界中ごろごろいんの。パンダほど希少種じゃないですから。

要するにあれだ。俺がもの珍しく見えるってのは、てめーの世界の狭さを示してるんだよ。そんなに狭い世間で生きて来たこと告白しなくていいですから。

いやでも理解は出来る。だって日本人って同じような人ばっかだもん。そりゃちょっとはずれただけでパンダみたいに珍しがりたくもなるよな。

けどおまえにとってはごく希なイベントでも俺にとってはほぼ毎回あるイベントなわけで。

いい加減飽き飽きするっつーの。いやそのネタお前が考えたのかもしれないけど違う人らから100ぺんは言われてますから。もっとおもしろいこと言えよ。なんでおまえらそんなネタで笑ってんのよ。なに、飽きてるの俺だけ? シラネーよ、俺が飽きてるってのが大事なんだよ。だからその質問1000回は聞かれてますから。

あのな、世の中「変わった奴」なんてゴマンといるんだよ。周囲が変わったやつらばっかになると、「変わってること」自体が珍しくないわけ。そうなると誰もそれをネタに笑い取ろうなんて考えないし、誰もが思い付くような質問なんてしてこないの。

だからな、似たような奴ばっかいる日本で人をパンダみてーに珍しがる事がすげー失礼なことだってことに気付かないのは同情するし、多少理解もする。だからたまにゃ付き合ってやらなくもないが、こっちは飽き飽きしてることにもちったあ気付けよ。

日本で各種マイノリティが生きにくいのもそういう所が影響してるんじゃないんですか? あのクソくだらないエアリーディング合戦とか同質性が高く経験の幅が狭いがゆえに成り立つもんでしょ。

いや、俺は日本でも変な奴らとしか付き合ってなかったけどさ。普通にガッコウ行ってたらそんなことは出来なかったろうな。

そんだけ同質性の高い状態でよく個性が大事とか言えたよな。あのな、個性を大事にするっててめーの個性の話じゃねーんだよ。俺とお前は違う人。出来ることも向いてることも考え方も違います。それを認めましょうってのが個性を大事にするってことだろ? てめーの生き方の話なんかしてねーっての。

そんだけ同じような奴らばっかいたらそら単一民族だと言いたくもなるだろうよ。

正直ホント不思議なんだけどさ。なんで幼稚園児に絵を書かせてもみんな似たような絵になるわけ? もう完全に2〜3歳くらいで同質性身につけちゃうってことだよな。他の人と違うことを嫌がるようになるというか。

男の子は青で女の子は赤で、なんてのもそういうのに寄与してんのかもしんねーな。俺は小さいころから赤い色が大好きで、女の子は赤いものが配布されてるのがずっとうらやましかった。鮫より鷹だろ、やっぱ。

個人的にはジェンダーなんてのはある程度あった方が生きやすいし多少のジェンダー抑圧はあった方がロールモデルが身についていいだろと思ったりしてるのだが、だからってそこからはずれた奴の扱いがひどすぎるのは悲惨すぎるだろよ。

いや別にいいのよ。マジョリティはそれで幸せなんだからそれでいいよ。けど俺らは幸せじゃないの。お前らの幸せを壊せとまで言うつもりは毛頭無いが、お前らと同じじゃ幸せになれない人もいるんだってわかれよ、いい加減。

ああもうはっきり言えば、ほっといてくれって言ってんの。別にいいじゃねえか、息子が料理してるからっておふくろいじめんなよ。ミッフィーのグッズ持ってて悪いかよ。バッドバツ丸かわいいだろよ。

なんでミカンの白いとこ丁寧に剥いてるだけで男のくせに細かい奴だとか言われなきゃならねーんだよ。うっせーなもう。

そのくせオムツかえるのがへたくそだとか掃除が大雑把だとか文句ゆーなバカタレ。いやオムツまるめるのミスって中身が出てきたときは申し訳なかったけど。

俺なんざたまたまコンピュータが好きでたまたまそれで仕事くれる人たちと巡りあえたから働いてるようなもんで、そうじゃなかったらきっと稼ぐ手段なんてほとんど無かった*1。だからホントは専業主夫しながら好きなもの書いて生きてくつもりだった。いろいろあって結婚は逃しちゃったけどね。

だから男は稼ぐべきだとか男なら働けとかそういう圧力はホント辛かった。男の価値は金なんだよなー、少なくともマジョリティの需要としては。稼ぐ能力の無い男は価値が認められないのよ。とにもかくにも需要が無い。

男は女子供を守るべし、それが男の価値であり需要なんだなというのはホントつくづく感じる。そして否応無くそういう立場に立たされて、しみじみと自分は男でしかないのだなと気付かされるのだ。結局は誰かが守らなくてはならないのだしね*2

俺はたまたまその手段を手に入れた(と言えるほどまだ稼げてないが……)からよかったが、そうでなかったらどうなってたことか。無理して辛い仕事に向き合い、病んだかもしれない。うまくいかない仕事にいらだち、アルコールに逃げたかもしれない。いらだちを配偶者にぶつけてしまったかもしれない。あるいは自分の能力の無さに絶望し、自らの命を絶ったかもしれない。

きっとそんな男性はたくさんいるんだろう。男なら稼いで女子供を守るのがあたりまえだという圧力を受けて。それができない自分を責めて。彼らと自分は紙一重の違いでしかなかったのではないか、そんな気さえする。

いや、そうでなくても俺が変わり者扱いされることに変わりは無いのだが。別にお酒とか知らなくてもいいじゃんよ……。コンピュータ使わない遊び知らないくらいで笑うなボケ。

*1:ときおり俺の能力を高くかってくださる方もいらっしゃるのだが、そう見えるとしたらそれは俺がネットオタクであり大量の文書を読み議論に参加し紹介された本を読み考察を続け実践してきた結果であって、そんな機会はそもそもコンピュータオタクじゃなかったら得られなかったわけだよ。学校でちゃんとそういう能力を身に付けられる素養は俺には無かった。そもそも自分で書いたノートが自分で読めないくらいだし。コンピュータとインターネットが無かったらホント俺に生きる手段があったとは思えない……。

*2:もちろんそういう立場を得た事は喜びとして受け取っている。そうでなくては俺は生きられなかったろうし、社会に俺の存在への需要は無かっただろう。俺が生きてるのは幸運にも自ら守ってやりたい、守らせてほしいと思える人たちが存在してくれていたおかげなのだ。

Sugano `Koshian' Yoshihisa(E) <koshian@foxking.org>