日本にシリコンバレーを作る方法という記事。
おっしゃる通り、日本のエンジニアは一人一人は決して諸外国に負けてないわりに、GoogleやTwitterのような大きなムーブメントは起こせてない。あれができるのはシリコンバレーの伝統があればこそ、という見解には、いろいろ情報を総合するに同意せざるを得ない。
URL踏むと「こんにちは こんにちは!!」 AmebaなうのCSRF脆弱性で“意図しない投稿”広がるという記事が話題になっていたが、正直割と俺はAmeba側に同情的である。
なんでかというと元のはまちちゃんの記事を辿るとわかるが、これだけじゃなくて相当長くサービスをやってるはずのアメブロ側にXSS脆弱性なんかも見付かってるわけだ。
そんなのたとえばはてなやライブドアだったら、とっくにユーザーの誰かが見付けてて報告され、適切に修正されてるだろう。そうならないのは、同業や同好の士のハートを掴む何かを作れなかったというところに起因する。
エンジニアだってね、自分で作ったものがおもしろいと思えないとつまらないんですよ。自分もおもしろいと思えるものを作りたいって、みんな考えてる。
しかし現実に起業し、金を得たのはエンジニアではない人間だったわけだ、アメーバでは。
バグなんてそりゃいくらでも残りますよ。人間がやってるんだからチェック漏れなんてどうしたって出る。ましてやウェブサービスなんてのはダイナミックに仕様自体が変わっていくんだから、品質をあげるのにはそういったユーザーの「協力」が不可欠。ましてや低コストでやらないと利益が出ないモデルなんだからね、ウェブサービスってのは。
そういうところを、エンジニアではない人間にはわからない。だから即刻アカウント停止とかしちゃうわけ。
twitterなんかだってそういうの乗り越えて来てるのよ。はまちちゃんはtwitterでも同じことやって、英語圏にまで「こんにちは!こんにちは!」を広げてなんだこれはーってのやってたんだから。
elm200さんが目指す「革新的な起業文化」を日本に芽吹かせるには、こういう非エンジニアにサービスを作らせてちゃダメなんだよ。それはカルチャーなんだから。エンジニアのカルチャーで作らないと。
そしてそういう文化で無ければ、世界に出て行くことは難しいだろう。
確かに日本は特殊なマーケット。海外とはウェブを使う層自体が違う。そういった土壌から掘り起こして、日本のサービスが世界中で使われるようにならないと、どうしたって国内需要だけで終ってしまう。
そして国内需要はこれから落ち込んで行くわけだ。中国との価格競争によって、我々日本人の人件費もデフレしていくわけだからね。
日本は資源の無い国。ソフトウェアで勝てなければ何で勝てというのか。
そう、今のままでは我々の仕事はみな中国へ行く。需要の縮んだマーケットとして日本は世界中の企業から見放されていく。
新しく世界に売れる仕事を作っていかなきゃいけない。Googleを追いかけるのではなく、Googleを飛び越える何かを。
elm200さんの計画が成功したとき、20年もの間停滞してた我々はようやく次の段階にいけるだろう。旧来の企業が次々倒産し、新しく産まれた企業がたくさんの人を雇えるようになる。
そのとき、雇用される側の人間に何が求められるか。まずはそこから考えてもいいのかもしれない。