やっぱりダメか日本の家電メーカーという記事。うんうん、なるほどなーという感じ。
繊維業で高度経済成長、その衰退と入れ代わるかのように製造業(自動車・家電)で伸びてきた日本の経済、というのは納得行くものがある。
だが海外移転してから衰退というのはまあ、タイミング的にそうせざるを得なかった、というのが真相じゃないかな。海外移転しなければ価格で負けてそのままだったんだろうし。コモディティ製品を作れる国じゃないんだわな、日本。
で、じゃあ次の産業って何よ、と考えるとまあたいして無いというのが……。
なんとなく自分の視点には、次に「我々の生活を変える」ようなものとして、いくつかのものが見えている。
- AR(現実拡張)
- サービスロボット
- 宇宙開発
このうちARは近未来というより今年にはもうサービスが始まるわけで、はやくiPhone 3GS欲しいなーという感じ。ARがどんなものか分からない人は、「電脳コイル」や「東のエデン」といったアニメ作品を見ることをお勧めする。特に東のエデンは総集編になる映画版が秋には公開されるはずだ。
ARの研究には割と日本人も多いし、サービスインが近づいてる「セカイカメラ」にしてから日本人のプロダクトだ。かなり期待が持てそうな気もするのだが、おそらくこのジャンルはGoogleあたりに持ってかれるんではないかと思ってる。Googleがなぜあれほどストリートビューの写真を撮りまくってるか考えるとな……。体力勝負に持ちこまれたらきついだろう。
だいたいセカイカメラ自身がiPhoneの上で動くわけで、おそらくAndroidには移植されるだろうがガラパゴスケータイにはムリだろう。
というわけで次、サービスロボット。家庭用ロボットといってもいいのかな?
これはもう日本がリードしてる産業だし、お得意の製造業なんだからホントに期待が持てる。コモディティ化は相当先だし、それまで世界を席巻できるだろう。が、実用化が遠すぎる。
ロボット産業が実用化にこぎつけるまで低空飛行を続けるしか無いのかなあ。予算が取れなくなったりしないか心配なわけだが。
その次の宇宙開発はもっと先になるだろう。地球資源の枯渇からいずれ人類は他の惑星から資源を採掘しなくてはならなくなるわけで、それに間に合うかどうかというタイミングになるはず。
ただその時、日本が宇宙開発をリードできるかというとかなり疑問。
モータースポーツのF1なんかでもそうなんだけど、もう純国産チームとか勝てないのよ。90年代のリジェとか頑張ってたしプロストが買収してどうにか立て直そうとしたけどやっぱムリ。
イタリアの英雄的存在であるフェラーリにしたって、近年の黄金期は南アフリカ人のデザイナーやドイツ人のドライバー、イギリス人の指揮官にフランス人の監督が活躍して作り上げたものだ。エンジンはホンダからスカウトされた日本人が作ってたこともあるんだぜ?
Googleだってアメリカ人だけで作ってるわけじゃないだろ?
ある程度のレベルを超えると、もう国内の人材だけじゃ持たないのよ。世界各地から才能を集めてこないとムリ。恐らく宇宙開発時代はそれが当たり前になってるはず。
前の記事にも関係して来るが、同じ記事をまた引用しよう。
これはL.star的には、彼らはハッカーを大量に雇って、しかもスケールアウトするような仕事をさせることができた、ということだと読めた。ご存知のとおりハッカーというのは能力はぬきんでているかもしれないが、L.starのようにろくでもない一匹狼がほとんどであり、たいていの場合みんなで集まって仕事をするなどというのは夢物語であった。その組織化の力がどのように威力を発揮したかわれわれはGoogleの「結果」を見ることができる。
かつて日本社会が、欧米人より高い組織化レベルをもってして圧倒的な勝利を築いたのは10年以上前である。それがいまやどうだろう。日本より優れたムラ社会をもった欧米に完全においてきぼりである。
叩かれるべきはムラ社会制度ではなく、ムラが小さすぎることに対して | 独り言v6
そう、hackerというのは組織に相容れないタイプなのではあるが、それをも組織してしまうGoogleが強いのは当然なわけだ。宇宙開発時代がやって来る頃には、こういうやり方がひろまって常識になるはず。
だとすれば、それが苦手な日本企業に宇宙開発などできっこないのである。
つまりこういうことだ。
- ウェブとARとモバイルの情報産業時代はアメリカに持ってかれる。日本衰退。
- 予算無くなるほど衰退しなければ、ロボット産業で日本復活。
- 宇宙開発時代に入ると日本滅亡(資源無いし)。
うーん、どこかで何かを変えなきゃならんわけだが……。