ある歴史勉強会に、友人のご好意で参加させていただいてきた。いろいろなお話をうかがって来たのだが、今までの経験や学んだことをあわせて、正しい歴史認識を得るためにはこういうことが必要なんじゃないかというのが教えていただいたことも含めてつらつら脳内に溢れて来たので書き留めておく。
- 歴史に良し悪しをつけない。つけてるものを信用しない。まず事実を知る
- 中立であることすら必要ではない。事実がどちらの有利に傾くかを考慮しない
- 歴史には当事者がいる。当事者にとってどう見えるかは考える必要がある
- 知識は大切。どうして戦争が起きたかを知るには、地理も軍事も政治も経済も知識として知る必要がある
- 誰の証言もその人の見た世界というだけであることを意識する
- メディアは煽るだけなので信用してはいけない
ネットでは昔から政治を中核として歴史認識問題がよく議論されてるが、ほとんどは良し悪しのふっかけ論でしかない。許せないとか日本はいいこともしたとかそんなのばっかり。
いいか悪いかは誰かに取っての結果論でしかなく、それは以前にも書いたのだが、政治をやりたいのか歴史をやりたいのかはっきりしろといいたくなる。
最近南京事件についても議論が巻きおこってたが、その規模や残虐さについての話ばかりで、本当に「善し悪しをつける」ための議論にしか見えなかった。なぜ起きたのか、どうしたら再発を防止できるのかといった議論にならないのは、それが「歴史問題」ではなく「政治問題」だからなのだろう。
また、日本では「歴史」を学んでないという話も出て興味深かった。義務教育でも社会科の一部でしかやらないし、高校でも必修ではない。だから「学校では教えてくれない真実」的な煽りに乗ってしまって変な歴史認識が広まったりするのだろう。それが政治の場にまで影響を及ぼすとなれば、これは本当に大問題だ。
最後に、勉強会で推薦された本を書き留めておく。どれも良書らしいのでいずれ手を出そうかと思う。
- 作者: 加藤陽子
- 出版社/メーカー: 朝日出版社
- 発売日: 2009/07/29
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- 作者: ドナルドキーン,角地幸男
- 出版社/メーカー: 新潮社
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- 作者: ドナルドキーン,Donald Keene,角地幸男
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
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