Geekなページさんの記事によると、なにやらノマド批判なるものが流行ってるようで。別に俺はノマドのつもりはないけど、ノマドな知人友人も多いので一言いっておこうかと。
- えっ、「ノマド」ってそういうことなの……。 - 世界はあなたのもの。
- ノマドとかライフスタイルをテンプレで語ること自体の陳腐化と正社員とノマドの中間解 - Future Insight
- ノマドワーキングを目的にすると不幸になるのでは? - GoTheDistance
このへんひとことでまとめるなら「バカですね」の一言で終了である。
俺、もうブログとかウェブ日記とか呼ばれるもの書きはじめて10年以上になるんだけど、ホントにこの手のバカな反応が多い。なにがバカかって、まず相手の意図を無視するのね。
だいたいこのタイプの人がしゃべることは以下のようなテンプレにハマっていることが多い。
ノマドとかライフスタイルをテンプレで語ること自体の陳腐化と正社員とノマドの中間解 - Future Insight
- 日本のライフスタイルは時代遅れ。よりノマド的なライフスタイルが優れている。
- 日本の大企業は時代遅れ。こんな大企業にいたら人生をスポイルする。
- 一つの場所に定住するのも時代遅れ。海外移住、または年の半分を海外で過ごすべき。
誰がそんなこと言ったの?
この元記事を書いたelm200さんは俺の親しい友人であるが、彼はそんなことまったく思っちゃいないはずだ。そう見えるのはあなたの読解力がたりなくてそんなふうに読みたかったから読めちゃっただけでしょ? そのへんについては以前にも書いたことがあるけども、そもそも読解力というものが足りなさすぎる。
文章読解というのはね、第一に意図を汲み取ることが大切なんですよ。
ノマドワーキングの提唱というのは非常に理解できる話で、そもそもはみんなが同じ時間に同じ場所に集って作業するというのが業種によっては必要なくなってるよね、というところから。ならわざわざ混雑する通勤電車に乗る必要もないし、高い家賃を払って東京近郊に住む必要も無いんじゃない? って話でしょ。
こういう根本的な意図が読み取れずに表面だけなぞるから、「かっこつけたがってる」だの「自分達が優れてると勘違いしてる」だのといった的外れの「批判」とやらが噴出するんだわな。
そんなもの本当の批判とは言わないんですよ。
もちろん言いたいこともわからんではないよ。そりゃあなんの実力もない人がノマドに憧れるなんてことがあるなら俺もバカバカしいと思うし、みんながみんなノマドであるべきとは思ってもいないし思ってる人も見たことがない。
でもね、新しいライフスタイルの確立というのは、ライフスタイルがテンプレ化することなんですよ。
こうやればできる、こういう条件が揃うとこうなる。そういったテンプレができあがることを「ライフスタイルの確立」と呼ぶの。大多数の人はそういったモデルがないとなにもできない人たちで、誰かがモデルを提示しないといけないんです。たとえば戦後の家庭モデルがそうであったようにね。
オフィスレスで働くと何がおきるのか、どんな問題が出るのか、いま彼らが実際にやって試してはブログに垂れ流してるわけでしょう。どんどん試してもらえばいいじゃないの。彼らは自分のそういう役割もわかってるはずだよ。
そういう意図を読み取れず表面だけなぞったものを「批判」とか呼ぶのは、知性の敗北のみならず、そうした貴重な実験データの提供に対する冒涜としか言いようがないんじゃないですかね。
先回りしておくと「そんなことはわかってる。それがわかってないノマドワナビーに対する批判なんだ」とかいうならそういう人に対して批判しなさいよ。少なくともelm200さんは違うでしょ。