著作権関係でよく言われるのが、消費者が買ったのはDVDやCDではなく、その中に収録されてるコンテンツを視聴する権利なのだ、という話。
俺も一度は納得した話だが、よくよく考えるとまったく納得いかない事に気付く。
だってね。視聴する権利を買ったというわりに、DVDやCDの破損時に交換してくれるわけでもないし、DVDやCDの寿命が切れて見れなくなってもどうにかしてくれるわけじゃないでしょ?
実際、友達がレーザーディスクで買ったアニメが見れなくなって、DVDで買い直すか悩んでる。レーザーディスクの寿命は意外に短かったようだ。
こちらのサイトはその友人とは無関係だが、わかりやすい写真を掲載してくださってる。ディスクのアルミが腐蝕してしまって、読めなくなって来ているのだ。
こうしたことはCDにもDVDにもBlu-rayにも起こる。長寿命なんてうたってみても、よくよく見ると温度や湿度が安定した環境での保存状態であって、普通の家屋でそんな状態を作ることは不可能に近い。
プレイヤーの販売が終了してしまったレーザーディスクにおいては、メディアが保存されてたにしても視聴しようがあるまい。ましてやHD-DVD版を購入してしまったばかりにBlu-ray版を購入するか逡巡するユーザーの悩みやいかに。
かように「試聴する権利を売ってる」というには悪徳商法としか思えないような状態なのが今のアニメ・映画業界。これで金が入らないとか言ってもそりゃね……。
Blu-rayディスク 早くも腐食開始? - Engadget Japanese
最新の次世代ディスクBDでも、一昨年には腐蝕が報告されてたようだ。これは製造上の不良品と見るべきだろうが、それでも交換に応じてもらえたという話までは聞こえてこない。
やっぱりね、アニメや映画の業界が売ってるのはただの円盤なんだよ。「視聴する権利」なんかじゃ絶対無い。
本気でそう主張するなら、それに見合ったサービスをちゃんと整備してから言ってもらいたい。一消費者として、それを切に願う。