先日たまたまクルマでラジオを掛けていたら、フィンランド式 キッズスキル―親子で楽しく問題解決!という本の著者が出演していた。教育手法の話らしいのだが、「スキルを学ぶ」という観点がゲームっぽくておもしろいなあと思った。

- 作者: ベン・ファーマン,佐俣友佳子
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2008/03/14
- メディア: 単行本
- 購入: 5人 クリック: 12回
- この商品を含むブログ (7件) を見る
まあそんなんで買ってみたのだが、これはけっこう使えるかも。
要するに子供の問題行動等を問題として捉えるんじゃなく、それを克服するためにどういうスキルを身につけるべきか、という考え方なのな。問題行動をやめさせるのではなく、問題にならないようにするにはどうしたらいいかを考える。
ラジオでも取り上げられてたおもしろいエピソードに、「放火をやめさせる」というのがある(P260)。
10歳の男の子が火遊びをしてすでに2件の火災が起きてたのだそうだ。
少年の名前を「ドン」としましょう。父親、母親、ドンがセラピストと一緒に、ひとつの部屋にそれぞれ座っています。セラピストは部屋を離れ、(中略)そして戻って来ると、ドンに向かってこう言いました。「ドン、君は火を使うのが本当に下手だね。火の扱いをこれっぽっちも知らないみたいだ。どうりで、火を操れないわけだよ!」
こうして実際にマッチで火を付けさせ、それがいかにへたくそなやり方かをとうとうと聞かせ、正しい火の扱いを教えたのだそうだ。
「悪いことをやめる」のではなく「正しいことをさせる」ために、スキルを身につけるのだと書いてある。おねしょから言葉遣い、子供同士の関わり方に至るまで、うまくできない問題を取り除こうとするのではなく、うまくできるためのスキルを身につける。
また、ADHDの子供へのキッズスキル適用の成功例なども書いてあった(P263)。
おもしろいのが子供たち自身に自分にどんなスキルが必要か考えさせ、それに名前を付けさせる事だ。「スーパーマンスキル」だとか「スーパーマリオスキル」なんてのもあったそうだ。
自分でスキルの名前を決めることで、イメージしやすくなるらしい。だからポケモンやスパイダーマンみたいな子供たちのヒーロー像をうまく活用してやれということらしい。
そして見事スキルを身につけたあかつきには、盛大にお祝いをするんだそうだ。
基本的に本書はそうした子供たちのスキル学習事例が羅列されてて、その事例を元にステップを踏んでキッズスキルの身につけ方を解説している。
どのエピソードもなかなかおもしろいので、それだけ拾って読んでもいいんじゃないだろうか。
なんだかMMORPGでもやってるかのようなやり方だが、それだけに楽しんでやれるんじゃないだろうか。
そうした「スキルを身につける」というのは、子供たちだけではないかもしれないとも思った。
「かんしゃくを起こさないスキル」なんてのは多くの母親に当てはまりそうだし、「ビールを飲みすぎないスキル」が必要なお父さんも多いのではないだろうか。
キッズスキルが導入されてる学校では、全生徒がスキルのポスターを教室にはって、自分が身につけて来たスキルと今学んでいるスキルがわかるようになってるのだそうだ。
これを家庭でもやったらおもしろいかもしれない。
ちょうどうちでしばらく預かってた子供たちが自宅に帰ってしまったので、今試してみる事はできないのだが、次の機会にでもやってみようかと思う。