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狐の王国

人は誰でも心に王国を持っている。

オタクは老いても中毒からは逃れられない

オタクが歳を取らないなんて大嘘だったという記事。年を取り、オタクとして十分にゲームやアニメを楽しめなくなったというお話。

中年ともなればそれなりに仕事も忙しいし家族の用事も増えてくる。おまけに若いころほどの体力や回復力もないので、そりゃあ遊びに費やす時間というのはどうしても減るし、「趣味に取り組む」のも難しくはなる。

だがオタクというのは中毒者なのだ。

漫画も読まずゲームもしない日々を1ヶ月も過ごすと、だんだんとおかしくなってくる。仕事が手につかず、集中力もなくなる。判断ミスも増えてくるし、おかしな行動に出てしまってアレ?となったりする。「疲れてるんだ、休もう」などと言って健康本に書いてあるような軽い運動と休息のつもりで泳ぎにいってプールサイドで昼寝する週末など過ごしたところで、まったく元には戻らない。

そんなとき、がっつりと漫画やアニメやゲームをやり込む。すると不思議な事にすっかり元気を取り戻すのだ。

人生には遊びが必要だ、なんてかっこつけた話に聞こえるかもしれない。いや、単にこれは中毒なのだ。禁断症状でおかしくなってきただけだったのだ。

よく「この程度でオタクとは言えない」というような、オタクとして謙遜のセリフを言う人がいる。確かに昔ほどがっつりとは趣味に力を入れられてるわけではない。新人漫画家のチェックも長いことしてないし、ゲームの設定資料集を読みこんだりもしてない。アニメもせいぜい週に数本、片手で数えられる程度の作品数しか見てはいられない。

だがそれでも漫画とアニメとゲームが俺には必要なのだ。これなしには生きていけない中毒者なのだ。

Fate/Grand Order

Fate/Grand Order

最近は Fate/Grand Order といういわゆるスマホゲームをやっている。濃いオタクからすれば「そんなライトなものを」と思うかもしれないが、ニコチン中毒者が気に入った銘柄でなくても無ければ他のタバコを吸うように、アルコール中毒者が安酒で量を稼ぐように、多少の代用品でもやらずにはいられないのである。様々な用事に忙殺される中、スキマ時間で少しずつ遊べてある程度遊んだらゲーム内のポイントが回復するまで遊べずキリよくやめられるスマホゲームはたいへんありがたいというのもある。奥が深すぎるゲームはハマりすぎて人生を壊してしまう。

こういう人生を壊すほどに趣味に没頭してしまう人間を良くも悪くもオタクというのだろう。

我々は中毒者だ。タガが外れてしまえば、きっと仕事も家族も自分の人生や命すらほっぽり出してアニメやマンガやゲームに夢中になってしまう。

「ゲームをする時間が減った」というのは、それなりに成長して上手にタガをハメておけるようになったということでもあるのだ。自分自身の中毒とのつきあい方がうまくなったということなのだ。

我々は人生を壊すわけにはいかない。愛する家族がいる人もいるだろう。来年の劇場版を見るまで死ねない人もいるだろう。あのゲームの続編が出るのはまだ先だ。大好きな作家の新作の連載だって始まったばかりだ。オタクがオタクであるために? いや違う。オタクという中毒を抱えながらもどうにか生きていくために、我々は上手にタガをハメ続けていかなくてはいけないし、たとえ代用品であろうと自分のオタク成分を摂取し続けなくてはならないのである。

たぶん、ただそれだけのことなのだ。

Sugano `Koshian' Yoshihisa(E) <koshian@foxking.org>