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狐の王国

人は誰でも心に王国を持っている。

優秀でなければ仕事が無い時代の幕開け

内定率があまりにも悪いというので、そのへんの話題が勃発している。

馬鹿な学生が増えてるなんてのはもう何十年も前から言われてる話でねえ。上に進学するような人の周囲はそりゃ優秀な人が多いもんで、あらためて俯瞰してみると実は元々おばかな学生なんてのはごろごろしてたりとかそんな話じゃないの?

というわけで俺としては後者のテラさんの反論の通り「若者に仕事が無い」ということを認める必要がある、ということは言っておかねばならないだろうと思う。

そりゃ何の仕事もないということはないよ。地方の時給600円で未来永劫昇級の見込無しとかの仕事ならそりゃあるだろうよ。なんで大学出てまでそんなところに就職活動しなきゃならんのよ。職業に貴賎は無いかもしれんが給料の多少はあるっつーの。

そういう仕事でいいならわざわざ高い金出して大学なんて行きませんってばよ……。

「優秀な人」にしか仕事はさせられない

さてバンコクなんぞに住んでるといろいろ出会いもあるわけで、意外なところで意外な人と知り合ったりする。今年はそういうおもしろい出会いがたくさんあって、中でもとある企業でマネージメントをやってる人の話がおもしろかった。

たくさん話を聞いたのだが、印象に残った話の一つに「組織は一番遅い人の速度で動く」というのがある。これ自体はよく言われることなので俺も知ってはいたのだが、その人の話を聞くと本当の意味で理解してなかったなあとつくづく思わされた。

一番遅い人の速度で動かなくてはいけないなら、速度をあげるためには遅い人を切らなくてはならないのである。

効率化、効率化と叫ばれて久しいが、そのことについて自覚的な人はどれくらいいるだろうか。俺自身がこのことについて自覚してなかった事に気付かされたわけなのだが。

もう一つおもしろかったのは、「優秀な人は学生のときから優秀」という話。そういう学生を選別して入社させるんだそうだ。そうすることで「優秀な人だけの組織」を作り上げる。

そう、もう人手が足りる足りないの問題ではないのである。「優秀な人」でなければ組織の速度を落してしまうのだから、どれだけ人手が足りてなくても「いらない人」なのである。国内で足りなきゃ社内公用語を英語化してでも世界中から「優秀な人」を集めてくればいい。

さてここで問題だ。企業が言わばそういった「上澄み」だけを拾おうとしたとき、「上澄み」以外の人間はどうなる?

上澄みは沈殿するものがあるから上澄みなのである。上澄みだけでは存在し得ない。かといって上澄みでないものを入れてしまえば組織を弱体化させる。

かといって「優秀でない人」に飢えられても困るのは企業だ。彼らも大きく言えば顧客であり、なんらかの消費活動をしてくれなかったら巡り巡って企業が飢える。

というわけでこのままいろんな企業が「優秀な人」だけを集めようとしていくと、最終的にはベーシックインカムでも導入せざるを得なくなるのではないかなあ、などと考えている。

もっとも、「優秀な人」というのは必ずしも相対的なものではない。全体の30%や40%は「優秀な人」になり得ると思う。上澄みの含有率は、教育によって向上させられるのである。

Sugano `Koshian' Yoshihisa(E) <koshian@foxking.org>