「ビタミンK与えず乳児死亡」母親が助産師提訴という記事。K2シロップの件というブログ記事とあわせてどうぞ。
いわゆるホメオパシーってやつだな。似非科学の代表のように扱われてる。似非科学というのは科学的(に見える)説明をしながら、科学としての体を成してないものをいう。ある程度の知識が無いと科学と区別がつかないので、ほとんど詐欺のような状態だ。
もちろん科学だけが正しいわけじゃない。だが本当に効果があるなら科学の皮をかぶる必要など無いし、科学が後から裏付けをとってくれることもある。
ホメオパシーは実際にそうやって科学が裏付け取ろうとして、プラシーボ効果と区別がつかないという結論まで出ているという話。
それでも信じたいという人は勝手に信じればいいと思うのだが、だからといって科学や医療でほぼ確実に生存できる方法が確立されてるのにそれを使わないというのは、いくらなんでも愚かすぎやしないだろうか。
どうも自然志向というのが広まっていて、できるだけ人工物に頼らず生きるのがよいという考え方があるようだ。
俺もオーガニック食品などは味が複雑なのもあってけっこう好きなのだが、こと医療に関してはまったく別の話だ。
我々人間のしてきたことを思い出せ。森を切り開き、畑を耕し、火を起こし、ビルをたてて都市を作って来た。その結果何が起きたか?
人間の平均寿命と生存率の圧倒的な上昇だ。
それは自然と戦って得た成果だ。人間の行いを悪く考える人は多い。だが自然とは人間が生き残るために戦う相手なのである。自然は優しくなんかない。自然はあるがまま、殺戮も捕食もするのである。
もちろん生き延びたから幸せだとは限らないし、生きるために動植物を殺すことや自然を破壊することへの罪悪感が強い人もいるだろう。
だからこそ環境問題は真剣に考える必要があるのだが、エコだエコだと言ってりゃいいってもんじゃない。きちんとした調査と結果の計測が必要なのである。そしてそのためのもっとも確度の高い手段は、魔術でも占いでもなく、科学なのだ。
高度に発達した科学は魔法と区別がつかないなんて言葉もあるし、普通の人には「何やってるかわかんないし無駄なもの」に見えるかもしれない。俺だってそんなに科学知識を持ってるわけじゃないから、気持ちはわからなくもない。
でもそれが我々完全ならざる人類が持ち得た最良の手段なんだよ。そう、自然と戦い、共生するための。
その事は理解してほしいと思う。