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狐の王国

人は誰でも心に王国を持っている。

タイ王国バンコク騒乱、しかし市民は生きている

先月の日本滞在では様々な人に会えて楽しかった。みなさんありがとうございました!
さてバンコクに帰ってきたら帰ってきたでいろいろどたばたしてたのだが、ちょっと落ち着いて来たので久しぶりに日記を書こうかと。

このご時勢、日本ではタイがずいぶんと荒れているように報道されてるようで、ご心配をおかけしてしまっているようである。実際荒れてはいるんだけど、まあそんな心配するようなこともないよ、というあたりはtwitterなどで繰り返し発言してきた。

今回はちょっと写真などまじえて、タイ王国首都バンコクの様子をお知らせしようかと。

こちらは先日行われたタイの旧正月、ソンクラン祭りという水掛け祭りの様子。この国の人たちに非常事態宣言など出したところで、お祭りを楽しむことをやめさせることなんてできやしない。
顔が白くなってるのはパウダーを水で溶かしたもの。ソンクランの3日間は普通に道を歩いてるだけで「サワディ・ピーマイ(あけましておめでとう)」という言葉とともに水をかけられ、顔にパウダーを塗りたくられるのである。
やられっぱなしじゃ悔しいのでこちらも水鉄砲を装備し、きっちり「お礼」をする。

確かに赤シャツ軍団(ニュースだとUDDって名前になってるかな?)の集会が行われてる近辺は軍や警察が武装して強制排除に来るので危険なのだが、そこらは封鎖されててそもそも入れなかったりする。
そもそも集会ったってライブ会場みたいなの作ってホントにライブしてたり演説してたりするだけなので、別にそれ自体が危険なわけじゃない。デパートなどがある商業地区を占拠してやってるから、市民生活の邪魔だし、警察や軍が動かざるを得ないだけなのである。

ソンクラン前の12日には、アビシット首相の自宅の前に多勢の赤シャツ軍団が押し寄せたのだそうだが、何をしたのかと言えば水掛けあって遊んでたのだそうだ。

実に平和な国である……。

ソンクランが明けた月曜日。バンコク最大の歓楽街にしてビジネス街であるシーロムに、騒乱を起こしてる赤シャツ軍団がやってくるとの情報が入り、タイ軍が配備された。
とはいえ兵隊さんたちが大量にいるところにノコノコやってくるお馬鹿さんはいないので市民はそこまで不安がってはいなさそう。この軍用車をバックに記念写真を撮ってる人もいた。

こちらは本日のシーロム通りにある市場の様子。さすがに今日は事前に赤シャツ軍団突入という知らせがあったので人出もお店も半分以下。

こちらはシーロムのソイ(小路)にたむろする兵隊さんたちの様子。

でもちょっと目先を変えるとみんな普通に生活してる。兵士がうろうろしてる以外はホントにみんな普通に生きてる。

こちらはシーロム通り、バンコク銀行の対面にあるカシコーン銀行の前で、市民と兵士が雑談をしてる様子。

同じくカシコーン銀行のATM前。警察がテントを張って水や食料を備蓄している。

この他、TL上にはシーロム通りの入り口のほうの写真もあげてくださる人たちもおり、鉄柵で囲まれてるのがよくわかる。

事態は流動的ではあるが、さすがにこれだけ守り固められてて攻められるということもないだろうなあ。戦わぬための武力とはよくいったもので。実際20日のシーロム突入はあきらめたという情報が午前中には流れていた。

もちろん市民が仕事をしたり生活をしたりする場所を占拠してる以上、武器を使った強制排除も行われてるし、死人も出てはいる。頭部を撃たれ、脳漿を飛び散らせて倒れる赤シャツの映像もYouTubeで見たし、そういった流れ弾にあたって亡くなったジャーナリストがいらっしゃった事も知っている。カオサン通りでの衝突は多くの外国人旅行者を巻き込んだことも。

しかしそういった事変の舞台となったごく狭い地区以外では、市民たちはごく普通に生活しているのだ。たとえ上野公園で大規模テロがあっても新宿は平和だろうし、日暮里あたりも平然としてるのではないか。

いま俺の住んでるシーロムは、その事変の舞台になるかならないかの狭間にいる。多少の不安はあるが、そこまで心配してはいない。

だってねえ。そんなもんに巻き込まれる外国人より交通事故で怪我したり死ぬ人のほうがはるかに多いんだってばよ、この国は……。

Sugano `Koshian' Yoshihisa(E) <koshian@foxking.org>